湯っ子

17歳の瞳に映る世界の湯っ子のレビュー・感想・評価

17歳の瞳に映る世界(2020年製作の映画)
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私が彼女たちと同じ17歳だったら、これを観てどう思うんだろう。きっと、オータムの駄目だったところ、悪かったところ、間違っていたところはどこだったのかを考えて、自分はそうならないようにしなくちゃ、って考えるのが精一杯だと思う。

よく凶悪犯罪なんかが起こると、犯人の生育歴や家庭環境がこぞって取り上げられる。なんでこんな人物が育ったのか知りたい、そういう野次馬根性や好奇心ももちろんあるけど、恐ろしくて悲しい出来事が起こった原因を知りたいからだと思う。原因を取り除けば、今後そんな出来事を防ぐことができると思うから。もちろん、そういうこともあるかもしれない。だけど、そうとも限らないこともいっぱいある。

実際、自分が気をつけていれば防げる環境ならそれでいい。だけどオータムは、何か本人の力では自らを守りきれない環境にあったのではないかと感じる。それを想像して胸が苦しくなるし、映像で映し出される彼女の様子には、実際に下腹部へ痛みを感じるような気がして辛かった。

これは大人にこそ問いかけている作品と感じる、目を逸らさないで、少女たちがさらされている現実にと。
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