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ラブ・セカンド・サイト はじまりは初恋のおわりからのtetsuのレビュー・感想・評価

4.0
twitterの作品公式アカウントが主催していたオンライン試写会で鑑賞。
(公式さん、ありがとうございます!)

趣味でSF小説を書いている空想好きな高校生・ラファエル。
同級生のオリヴィアと運命的な恋に落ちた彼は彼女と結婚し、小説家としても成功を果たした。
結婚生活を始めて10年、
彼女との気持ちが少しずつすれ違い始めたラファエルは、二人をモデルにしたSF小説の結末を恐ろしいものにしてしまい...。

予想外なファーストカット、
上記のあらすじをわずか数分で描く手際の良さ、そして、驚きの展開。

公式のあらすじを調べずに臨んだため、序盤から一気に引き込まれる秀作でした。

オープニングの青春ラブストーリー部分が最高すぎて、もう少し観ていたかったのも事実ですが、本作の主題はその後から。
映画ならではのファンタジックな要素を使い、見事に「愛の本質」を描いた物語が最高でした。

また、その点も含め、幼少期に大好きだったドラマ『プロポーズ大作戦』に通ずる部分もあり、個人的に、かなり好みな作品でした。




以下、かなりのネタバレあり。
(観た後に読むことを推奨します。
m(_ _)m)

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ご覧になった方には伝わると思いますが、
本作には3つの世界が登場しました。

「主人公が小説家として成功する世界」
「妻がピアニストとして成功する世界」
「主人公が描くSF世界」
この世界が絶妙な関係性で描かれるため、かなり賛否が別れてしまいそうですが、クライマックスの演出は、かなり見事だったように思います。

主人公が迫られる
「自分の成功」or「愛する者の成功」という選択肢と、「主人公の描くSF世界」の結末がリンクする展開。
その結果、彼が選ぶ答えには作り手が考える「愛の本質」がしっかりと伝わってきましたし、安易なハッピーエンドを選んでしまいがちな部分を、あえて振り切ってくれた脚本には、最高という言葉以外みつからなかったです。笑
(まぁ、ラストシーンのご都合主義感は否めなかったですけど。)

また、そんなラストは、お互いの夢を尊重する展開を選んだ『LALALAND』と比べても、興味深い作品だな~とも思いました。


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というわけで、
ifとリアルの世界が混じりあった独特な物語だった本作。
若干、全体的に落ち着いた展開にはなるので、予告編などを観ていると、肩すかしをくらってしまう可能性はありますが、ありそうでなかったラストシーンには、かなり心を動かされる秀作でした。
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