茜

フューリーズ 復讐の女神の茜のレビュー・感想・評価

フューリーズ 復讐の女神(2019年製作の映画)
3.8
鑑賞前は正直そこまで期待してなかったんだけど、これとっても面白かったです。
普通のスラッシャーには収まらず捻りを利かせたプロットに、CGIではなく赤黒い血糊とSFXで魅せるゴア、強すぎない主張で自然に分かりやすく盛り込まれた社会批判。
この監督さん、これが長編デビュー作って凄いなぁ…これから更に期待出来る気がする!

ある夜、友人と共に誘拐されてしまった主人公のケイラ。
目が覚めると狭い箱の中、片目からは血が流れていて、耳をつんざくような電子音に頭が割れそうになる。
訳が分からぬまま箱の外へ出ると、同じような境遇の女性が複数おり、彼女達は不気味なマスクマン達に追われ、死に物狂いで逃げるハメに…。

先ず絶賛したいのが素晴らしいゴア描写。
臓物ポロリや目ん玉くりぬきなんてお手の物、剛腕で腕をブッコ抜いたり、斧で顔面を丸ごと抉り取るっていう豪快なシーンまで…。
今までありそうでなかった斧で顔面抉り取りには流石にちょっと興奮しまして、思わず巻き戻して何回も観ちゃった♪
徐々に斧の刃が顔の肉に食い込んでいく過程の作りがとってもよく出来てるんですよ~、すんばらしいSFX!

女性達が謎のマスクマンに追われ殺されるっていう単純なホラーではなく、その裏に隠された驚きの設定も凄く新鮮でした。
何とか既存のスラッシャーと差別化を図ろうっていう制作陣の意図が感じられる(と言いつつ、やや説明不足感はあるので、ここにノレないって人も居そう…)
その裏設定に上手く性差別や監視社会への批判なんかも織り交ぜてあるんだけど、そこの主張も強すぎないので重苦しくなく、あくまで純粋なホラーとして楽しめるのも良き。

ラストに明かされる、フューリーズ=復讐の女神とは一体誰で何なのか?っていう展開も含めて終始面白かった。
近年のホラーには最近あまりピンと来てなかったんですけど、私的にこれは良作!
(ただ1つだけよく分からない点があったのでコメ欄にネタバレ記述…誰が教えてくれぇ…)
茜