いやんばかんあはん

キケンな誘拐のいやんばかんあはんのレビュー・感想・評価

キケンな誘拐(2013年製作の映画)
3.0
誘拐業で金荒稼ぎする3人組。
内リーダーは自分にだけしか視えないイマジナリー恋人を傍に侍らせている(?)謎設定有り。

出来事から出来事へと常に新たな展開が待ち構えており、慌ただしく物事が揺れ動く所謂ドタバタ劇を主体としたクライムコメディの体を取っているのだが、リズムが一定のせいかテンポの良さに反して殆どのノリが空ぶっている印象を受けた。

完全に日本人の感覚とはズレたインド人特有のセンスが映画全体を支配している為、怒涛の勢いでスベってカスってを繰り返しており、食らいつかなければ振り落とされる諸刃の剣的とも呼べる超特急新感覚スベリ映画としてある意味成立している。

途中から殺人悪徳警官が登場し、主人公率いる誘拐犯グループを追いかけ回すのだが、その際に発生する自動車事故で主人公のイマジナリー恋人が事故死してしまうのだが、イマジナリーな存在が物理的な原理で死滅するという発想が実にブッ飛んでおり、しかもそれがシリアスに演出したいのかギャグとして笑かしに来てるのか一切判断出来ない点を踏まえても盛大にカオスで、作中最も置いてきぼりを感じた瞬間であった。

全く好きな傾向の映画とは異なるし、もっと言えば苦手な部類なのだが、最後まで謎に集中して観れたのでこの映画は凄い。