世界でいちばん貧しい大統領 愛と闘争の男、ホセ・ムヒカの作品情報・感想・評価・動画配信 - 4ページ目

上映館(10館)

世界でいちばん貧しい大統領 愛と闘争の男、ホセ・ムヒカ2018年製作の映画)

El Pepe, Una Vida Suprema

上映日:2020年03月27日

製作国:

上映時間:74分

あらすじ

「世界でいちばん貧しい大統領 愛と闘争の男、ホセ・ムヒカ」に投稿された感想・評価

人は好事や成功よりも逆境や苦痛から多くを学ぶのだ 独房
あんたはクソだ
文化 人生 壊すのは簡単 従うべき価値観
政治闘争 愛は常に安全地帯 人と人 
タンゴ 喪失の歌 音楽が良き
笑い合う二人にほっこり

☆☆★★★

今、何故かクストリッツァが2年前に製作したドキュメンタリー映画が公開。

大体、クストリッツァのドキュメンタリーと言うと。ただ単にマラドーナの大ファンだから…ってだけで、会いたい!ハグしたい!サイン欲しい!ってだけの勢いだけで撮ってしまったドキュメンタリー映画『マラドーナ』の前歴があるだけに…。

…って事で。どうやら、ミュージシャンの肩書きも持つクストリッツァ。お気に入りのCDを探すついでに、前からちょっとだけ興味があったムヒカに向けてカメラを回してみた…ってだけの様な内容でしたね。

このドキュメンタリー映画ではホセ・ムヒカ本人がどんな人なのか?が分からないので…。


ホセ・ムヒカ伝説のスピーチ

https://youtu.be/F7vh7eQUtlw


同じスピーチ 子供の絵本用読み聞かせ版

https://youtu.be/Tm19sDQFMLM


池上彰との対談より

https://youtu.be/Wr72ClZ2Pcg



そして、奇妙なこの大統領に絶えず密着したジャーナリストの書いたムヒカ本の中から、幾つか人となりが垣間見える発言を。



全ての発言は、角川文庫 ホセ・ムヒカ 世界でいちばん貧しい大統領 より抜粋

色んなところからジャーナリストが自分に会いにやって来るのは、私がいつも彼らにフックを浴びせるからだと思う。それは私のせいじゃない。私はただ自分のありのままのを話し、好きなように生きているだけだ。信じられるのは、これからそれが変わってしまうということだ。世界各地で、こんなクソみたいなじいさんに関心が向けられていることがどうしても信じられないという連中は多い。私はそれについては特に何の努力もしていない。どこであろうと、私は好きなように生きているだけだ。自分は貧しくなんかない。貧しい人間というのは、いつもカネばかり追いかけ、それにとらわれている人間のことを言うのさ。

24ページより抜粋。




一般市民と統治者の間にアパルトヘイトが生じることがある。生活スタイルというのは一見取るに足らないことのように見えるが、そうじゃない。そこには政治家に対する不信感もある。国民は、大統領になるやつはみんな同じだと思っていて、最後には政治にものすごい不信感をもつようになるんだ。
〜 中略 〜
私がいつも言っているのは、「自分の考えに従って暮らそう。そうしなければ、暮らしぶりに合わせて物事を考えるようになってしまう」ということだ。これはいつの時代にも言えることだ。ひとが自分を正当化するために用いる言い訳の数は半端ない。このとんでもなく非効率な政府では、何でもかんでも正当と認められてしまうわけで。こういう連中は絵空事のような世界で暮らし、権力者におべっかを言っているだけのごますり連中に囲まれるようになるのさ。これは危険極まりない。だが、これと同じ状況を色んなところで見てきた。

101〜102ページより抜粋。


チャーチルは、そうしなければならないときにロシアのスターリンと同盟を結んだ。左派や右派という違いを越えて、国を率いる人物はプラグマティックでなければならない。常識もしっかりと持っていなければならない。常識こそが最良のイデオロギーだからだ。チャーチルでさえ、必要ならば「スターリンとともに」と言った。チャーチルは反共産主義だったのにもかかわらずだ。政治について学ぶには、こういった人物について研究しなければならない。

255ページより抜粋。


オバマは、アメリカの他の大統領と比べると急進左派だ。だから、言ってやったよ。「アフガニスタンから撤退しなさい」とね。オバマは笑っていた。彼には通訳がついていた。私も簡単な英語がわかるが、彼らが話すと何を言っているかまったく理解できない。
オバマにはカリスマ性があり。品があって立派だ。(2012年)あのサミットでは、アメリカを非難するスピーチがニ十以上あったが、オバマは我慢して聞いていた。私のスピーチが一番攻撃的でなかったと思う。オバマは辛抱強く聞いていたし、それはそれで尊敬すべき態度だと思う。私は彼に言ったんだ。「あなたはアメリカが私たちに与えられる最高の大統領です」とね。現在のアメリカの置かれた状況から考えると、オバマは最高の大統領だ。

256〜257ページより抜粋。


母親になることほど大きな喜びも苦しみもないと私は思う。女性は私たち男性より優れた存在だ。なぜなら命という贈り物を与えてくれるからだ。それ以上に大切なことは何もない。プチブルジョワに感化されて、子どもを産むことを忘れてはならない。年をとったときに、それがどれほど大切なことかに気づくからだ。(インタビュー相手に)お前はまだ若いからわからないかもしれないがね。もし神聖さというものが存在するのなら、それは年輪を重ねた女性に近いところにあると思う。
家庭に残って子どもの世話をするのは圧倒的に女性が多く、その割合は貧しい層にいくほど増える。彼女たちをもっと尊敬すべきだ。私は今流行りのフェミニズムに関心はないが、女性の力は信じている。女性はとても大切な存在で、そうゆう流行よりももっと価値があると思っている。

282〜283ページより抜粋。


時間は幸せになるために不可欠の要素だ。少なくともムヒカはそう信じている。インターネットでソーシャルネットワークに費やす時間や、テレビ画面を見ている時間ではない。これは時間の無駄以外の何ものではない。しかし残念ながら、そのような時間の使い方をする人が増えているのもまた事実だ。必要なのは、日々の最も基本的なことに時間を費やすこと。
〜中略〜
大統領として最後の訪問地(フィンランド)となるこの地で、「この国では人生というものが最も大切にされている」と、その夜のわすかな聴衆に向かってムヒカは囁いた。その逆の例として、人々が働くために生きているようなシンガポールや、人々が救いやより高位に到達するために死を選択するイスラム諸国の過激派を挙げた。確かに快適に暮らすためには働かなければならないが、何よりもまず人生を生きなければならないのだと、長い空の旅で疲れ切って頭がぼうっとしている一行に向かって力説した。

296〜297ページより抜粋。



今の時代には言葉があふれているが、中身がない。ムヒカがほとんど無価値だと思っているバーチャルなコミュニケーションで世界は飽和している。彼にとってソーシャルネットワークとは、真の意味での交流を避け、意味のない運動や数時間しか存続しないリーダーを生み出す手段でしかない。
〜中略〜
ムヒカは「今の状況は何も良いことにはつながらない。建設的というより破壊的だ」と断言した。「でも、昔はテレビについても同じことが言われていましたよ」と、私たちは疑問を投げかけてみた。
すると、「いや、私は別に現状を否定しているわけじゃない」と言い、インターネット時代を支持する理由を説明しようとした。「国境がなくなった」ことを強調するために、「ウルグアイ人の女の子が中国人の彼女になって、そいつにイタリアから服をプレゼントすることだってできる」と例を出した。
これはポジティブな変化だ。ネット上で距離が縮まるだけで知識の向上や相互理解に役立つ。これによって可能性が無限に生まれ、生命の水を届けてくれる水量の増した川のように情報が流れるのだとムヒカは分析する。

298〜299ページより抜粋。


今人類は、未だ存在しておらず。どの国も準備することができないグローバル・ガバナンスを必要としている。太平洋で起こった海抜の上昇やプラスチック投棄の問題は、どの政府も解決できていない。社会と政治の乖離は重大な問題だ。このままでは何も良いことにはつながらない。そこで、アウトサイダーが〝救世者〟として登場するわけだ。政治家といっても色々で、くずみたいなやつらもいるが、彼らは結局自分たちの所属政党のためにしか行動しない。歴史上も、このようにしてあまり評判の良くない指導者たちが現れた。右派の政治家はいつも道徳に訴えるようなスピーチをして、民衆の前に現れる。そして政権を握り、すべてをめちゃくちゃにするのさ。

304ページより抜粋。


人間の特徴のひとつは、生きていくために不可欠な空間を征服するということだ。アフリカに始まり、地球全体を征服した。人間は地球を手に入れ、もはや手放すことはできない。しかし、資本主義的文化では、進歩というものはもっと個人的なものだった。資本主義は人間の内部にあるエゴイズムを助長し、人々は自分のことばかり考えるようになる。
〜中略〜
エネルギーは無限にあるのだから、資源も無限にあるはずだ。私たちは、宇宙の広大さに比べればシラミみたいなものだが、人類は資源を維持するために科学を重視して、人類全体として動かなければならない。だが、それができていない、こういう状況が私たちの種を滅ぼす可能性がある。自然はこれまでに、私たちにその偉大さを証明してきた。恐竜でさえ消滅させられるのに。なぜ私たち人間を消滅させることなどできないと言えるのか?

314〜315ページより抜粋。



2020年4月1日 ヒューマントラストシネマ有楽町/シアター1
hidebo

hideboの感想・評価

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子どものいない夫婦で一国のリーダー。自分の財産は社会のために使う。同じような夫婦でも私利私欲にまみれたどこかの国とは大違い。
妻は現副大統領。羨ましいことこの上ない国ウルグアイ。
まん丸な体に愛車は古いVWビートル。
月千ドルで生活し、他の収入は全部寄付しちゃうという、ウルグアイの元大統領エル・ペペことホセ・ムヒカの哲学を、エミール・クリストリッツァが描く。
今でこそ穏和なおじいちゃんだが、かつては反体制派のゲリラ戦士。
13年もの間投獄されたこともある。
だがペペは「人間は良いことより悪いことからの方が学ぶ」と言う。
若い頃は、体制を壊すのなんて簡単だと思っていた。
しかし壊すのは簡単でも、新しい体制を作り上げるのはもの凄く難しい。
なぜならそれは文化を作ることだから。 
ここで言う文化とは、芸術活動のことではなく、人間の生き方の規範となる行動原理。
人は社会的な生き物だから、本来分かち合うことの出来る社会主義者のはず。
だが誰にでもある利己的な心が邪魔をする。
政敵を倒すだけでなく、人々の心の変革こそ彼の闘争。
ペペが大統領に当選した当時、ウルグアイの貧困率は39%だったのが、退任後の今は11%に。
こんな弱者に寄り添える政治家が、本来ずっと豊かなはずのこの国にも欲しくなる。
クリストリッツァとのおちゃめなトークも可愛い。
Ryo

Ryoの感想・評価

3.1
こんな弱者に寄り添う大統領が1人でもいたら、それは希望そのものだ。ゲリラ活動で13年も刑務所にいて、それが人生経験となり今があると言っていた。南米ウルグアイの歴史的背景など知らなくてわかりづらい部分もあるけど、監督とムヒカ氏のツーショットがキュート。ムヒカ氏の名言だらけ。ご夫婦で素敵でした。
クストリッツァだからハードル上げたかな笑
ドキュメンタリーだしね。
思ってたよりポリティカルでした。
相変わらず音楽がステキ♪
笑顔が素敵なおじいちゃんでした。国民に愛され、私財を投じて国民に奉仕し、活動家だった時代に犯罪を犯していても、全てを受け入れてくれる国民。真のリーダーの資質を持った人なんだろうなぁと。ウルグアイの人達は幸せだね。羨ましい。
IKIGAI

IKIGAIの感想・評価

4.0
私はこんな人が大統領だったらいいと思う。政治的にはいろんな考えや立場があっていわゆる勝ち組には納得いかないかもしれないけど。
リョウ

リョウの感想・評価

3.0
全ての権力者はこの映画を見て彼のことを敬うべきだ!
貧しい人の為に何千戸も住宅を建て、お金を稼ぐ手段のために自ら農業を若者に教える姿に感銘を受ける。
彼の努力でウルグアイの貧困率は39%から11%まで下がったという!
しかも5年大統領として働いた後も長期政権には未練を持たずちゃんと次の者にバトンを渡す引き際の良さ(ウルグアイの法律知らないので何とも言えないが)
「人間は良いことよりも苦しいことから学ぶものだ」と優しい笑顔で語るペペだがそれも壮絶な人生を送ってきた彼だからさらりと言えるのだろう。
自前の水筒を持ってストローでお茶を楽しそうに飲む姿が何とも印象的だった♪
20/3/30 有楽町
記録として
志村けんコロナで死去