Sachika

マヤの秘密のSachikaのレビュー・感想・評価

マヤの秘密(2020年製作の映画)
3.5
マヤが街なかで見かけた男は、かつて戦時中に自分を陵辱した ドイツ軍の男なのか。
突拍子もない「自分にはこの男だとわかる」という感覚と、秘密にしてきた過去を紐解く形で進んでいく物語に、マヤが狂っているのか、男が嘘を吐いているのか、最後までわからない。
主人公マヤを信じたいという気持ちを削ぐように、一方的に男に暴力をふるい、拷問を繰り返す姿。
そして彼の奥さんに近づき、情報を得ようとする姿。
マヤが動けば動くほど、彼が正しくて、マヤがおかしいのだろうという気持ちになっていく。
果たして真実は…。

物語は過去のマヤの記憶を呼び起こすと同時に、戦争の悲しさや差別を改めて見つめる事になる。
許しと報復。
何が自分を守り、そして癒す事ができるのか。
その答えは、秘密を知る(思い出す)こと・隠すこと・打ち明けること、何が一番自分を救ってくれるのかと考えさせられる。

余談だけど、終盤のマヤの表情に、コナンで出てきた「A secret makes a woman woman…(女は秘密を着飾って美しくなるの)」ってセリフを思い出してしまった…!
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