みんと

ファヒム パリが見た奇跡のみんとのレビュー・感想・評価

ファヒム パリが見た奇跡(2019年製作の映画)
3.8
バングラデシュから政治難民として父親と共にフランスに渡ったヒャヒム少年。非凡なチェスの才能で人生と希望を切り拓いてゆく奇跡の実話。

純粋に あ~良かった...と思える反面、生まれ落ちた環境で埋もれてしまったであろう才能達に思いを馳せる。

素晴らしい両親、家族に恵まれ、数々の出逢いに恵まれチャンスをものに出来る精神力を持ち…全てが合致してこそ物語として世に出ると言うか。

サクセスストーリーと切っても切れないハングリー精神なるワード。全てに満たされ過ぎず、純粋な想い(ただただ好きの感情とか家族を想う気持ちとか)こそがいわゆる成功への道筋でありもしかしたら近道なのかもしれない。

恵まれた環境でレールに乗って当たり前の様に伸びる才能とは対極にあって、でもそのどちらが良いとも悪いとも言えなくて。
ただフャヒムのようにチェスの才能で在留資格を与えられるケースなんてごく稀で…
少なくとも今作で描かれたような難民達の切実な事情を鑑み寛容であれる世界への変化を望まざるを得なかった。

すっかり贅肉を蓄え大きくなってるチェスの名指導者役ジェラール・ドパルデューが良い味出してる。そして輪をかけてチャーミングだったのがチェス塾のマチルドおばさん。可愛らしい世話役ぶりには思わずほっこりさせられた。

そしてジャンルは分からないけど、『ライオン』『 存在のない…』と言った貧困地域或いは紛争地域など恵まれない子供達にスポットを当てた作品に共通する、物寂しさと途方もない孤独感を感じる音楽効果もまた感情を揺さぶるに大きいところ。