Xavier

ファヒム パリが見た奇跡のXavierのレビュー・感想・評価

ファヒム パリが見た奇跡(2019年製作の映画)
3.7
ファヒムにとっては、仲間たちの存在は大きかっただろうなぁ…
バングラデシュで、天才チェス少年として有名だったファヒム。
ある日、ファヒムは父親ヌラと共に、フランス・パリへと向かう。
パリへと着いたファヒムは 初めて見る
珍しいものに興味津々だが、何故か父親ヌラは浮かない顔。
ファヒムには、チェスのグランドマスターに会うためにパリへ行くと言っていたが、実のところはバングラデシュ政府に対しデモを行った為、その罰としてファヒムが誘拐されそうになり、ファヒムの身を案じたヌラが政治難民としてパリにやって来たのだ。
しかし仕事も見つからず、眠る場所もなく仕方なく野宿をしているところを、国際赤十字に助けられる。
そんななか、息子ファヒムの希望を叶えるため、ヌラはファヒムを連れ"グレテイユ・チェスクラブ"を訪ねる。
そこで後にファヒムの師となるシルヴァンと出会う事になる…

物語はこんな感じで始まる。

クラブに通う様になったファヒム。
しかし父親ヌラには国外退去命令が下る
ファヒムに心配をかけたくないヌラは、夜勤の仕事が決まったといい、帰って来なくなってしまう。
ファヒムは最初のうちはシルヴァンの所に身を寄せる。
そんな中、仲良くなったクラブのメンバーは、移民の子であるファヒムと分け隔てなく接し交流を深めて行く。そして1人になってしまったファヒムを心配し、
自ら家に連れて帰り、ファヒムを泊まらせる様になっていく。親の中には、ファヒムが不法滞在者の息子という事もあり
いい顔をしない保護者もいたが、ファヒムと接するうち保護者全員、ファヒムを助ける様になっていく。
しかしファヒムがマルセイユでチェスの全国大会に出場する一方、父親ヌラは逮捕され国外退去の危機にあった…

この後、ファヒムがどうなったか自分の目で確かめて下さい。

この作品で感じた事は、大人の世界がいかに不平等で、差別のある世界なのかっていうこと。
逆に子供たちの世界は平等で、人種で差別する事もない世界だということが、この作品で端的に描かれている。

後、話の展開上、お涙頂戴の様なドラマチックな展開に出来たはずだが、そうする事もなく淡々と話が進むところも好感が持てるかなぁ(まぁ、ホントのところちょっとは欲しい感じなんだけどねぇ)

1番印象に残った言葉

"フランスは人権の国なんですか?
それとも人権を宣言しただけの国なんですか?"

いい言葉だと思う。
Xavier

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