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海辺の家のnozomiのレビュー・感想・評価

海辺の家(2001年製作の映画)
4.0

ある家族の再生を描いた物語。

20年間勤めた建築設計事務所を解雇されたジョージは、癌に侵され自分がもう長く生きれないことを知る。

妻のロビンとは過去に離婚し、息子のサムも彼女と暮らしているが、サムはパンク音楽とドラッグにハマって非行の道に走り、ロビンもサムを見放している状態。

自分の人生を思い返した彼は、あることをやり遂げようと考える。それは、海のすぐそばにあるジョージが現在ひとりで暮らしているボロい家を壊して、その場所に新しい家を建てることだった。

そしてジョージはサムを夏休みの間預かることにする。それに反対するサムとは些細なことで毎日のようにぶつかり合うが、互いの本心を話していくうちに少しずつ距離が縮まっていき、やがてサムも自らボロ家の解体を手伝うようになる。

住んでいた家を壊して建て直す過程に、家族の再生の物語を重ねているのが良い。彼らが絆を取り戻していく様子が丁寧に描かれてたのも良かった。

「お前に好かれようと思ったんじゃない。お前に愛されたかったんだ」

開いてしまった溝を埋めるように、サムに自分の本心をぽつりぽつりと話し始めるジョージ。そのひとつひとつが遺言のようで、切なくて胸が苦しくなった。

大号泣ではないものの、ほろりと泣ける家族の絆を描いた切なくも素晴らしい映画でした。