tkyk

ノロワのtkykのレビュー・感想・評価

ノロワ(1976年製作の映画)
3.7
一言でまとめるのが難しいぐらいヘンテコな作品だった。映画文法というのがあるとすれば本作はそれから逸脱し、何にも従わない自由な作品のように思う。
話としては海賊が復讐を果たそうとする話ではあるが、誰がどんな人物でどういう関係性なのかを一切説明しないので、それを理解しようと必死になる。その点では難解な作品に感じられる。
しかも舞台のセリフを唐突に喋りだしたり、不自然な程に至る所に音楽家がいたりする演出が続くので困惑もさせられる。終盤にいくとその演出の異様さが加速するので終盤は困惑しっぱなしになる。
この演出をもって難解と取ることもできると思うが、むしろ自由な演出をしているようにも受け取れる。普段映画を観ていたら出くわさないような演出の連続に何かしらの意図や規則を見出そうとしても答えが出ないからこそ難解に思えるのだと思う。今まで観てきた映画と照らし合わせようとせずに作品を観れば、この作品がルールやリアリティに囚われずに自由に作られていると思えるかもしれない。ただ一般的な物語映画を観る自分は終始頭を使わされ、眠気と闘っていたし、とにかく終盤は困惑しっぱなしだった。
ただ出てくる女性陣は非常に魅力的だったし、色彩の鮮やかさは良かった。
tkyk

tkyk