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三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実のkeecoliquoriceのレビュー・感想・評価

4.0
歴史の中の人が、本人そのもので人と対峙する言葉、動きを観る感動がまずあった。そして三島由紀夫の、育った環境と知と教養から、自然と醸し出される柔らかな物腰、相手に耳を傾け、言いこめようという態度がないこと、でも揺るぎなき考えははっきりと表明する姿に、感じ入るものがあった。

東大全共闘の方々も、今時でいえばマウントをとろう、とするでなく、敬意を持ち誠実な向き合い方をしていると思った。

ただ、言葉で交わす、ていうことに否定的な、演劇&芸術活動のお方だけは、なにかしらこう、自分を棚に上げてるようにしか見えなかったし、ああいう場に赤ちゃんを抱いて登場する(やむを得ない事情があったのかもしれないが)パフォーマンス、しかも、彼の手にあるタバコは煙を出し続けていた、その子の顔のすぐ前で。それだけで人として信用ならない。話を聞く気にならない。

しかし、右左、どちらも、元を辿れば〝反米と愛国〟。

そういえば、うちのばあさまは、「日本は戦争に負けたんだから。アメリカの属国だからしかたがない」と、よく言っていたな。


12月12日に公開という、ドキュメンタリー『戦車闘争』も、観るリストに入れているのだけど、70年代、ベトナム戦争で使われてたアメリカの戦車を日本で修理してまた戦地へ送り返していたなんて、ほんと知らなかった。

その現場である相模原市で、そんな戦車を通すものかと立ちはだかった人たちがいた。そしてそれをけちらす人、巻き込まれた町の人、時代を経ての若き研究者。予告編だけでも、さまざまな立場の人が登場していた。こちらもぜひ観てみたいと思います。
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