鷲尾翼

三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実の鷲尾翼のレビュー・感想・評価

4.0
【まとめシネマ】#353

【まとめ】
* 右翼と左翼の闘い
* 当時を知る人の解説が面白い
* 三島由紀夫のカリスマ性

本作は学生運動が盛んだった1969年、東大の900番教室に約1000人の東大全共闘(当時の学生運動の代表的組織)の学生が集まる中三島由紀夫がただ一人教壇に立ち、討論を繰り広げた模様を収めたドキュメンタリー映画。

三島由紀夫と東大全共闘、その大きな違いは「右翼か左翼か」

三島由紀夫率いる『楯の会』は伝統と人間の感情・情緒を尊重した保守的思考の『右翼』

一方東大全共闘は自由や平等のために革新的思考の『左翼』

その右翼と左翼の闘いは、正直討論している内容は全然分からなかった。しかし、所々で当時を知る人や三島由紀夫にまつわる人が当時の心境や解説を織り交ぜてくれるので、結果的に作品を理解できた。

当時を知る人として当時その場にいた楯の会のメンバー、元東大全共闘のメンバー、三島由紀夫にゆかりのある人として瀬戸内寂聴が当時を振り返っているのだが、その時々で語られる三島由紀夫のエピソードは感心してしまう。

この東大全共闘との闘いの一年半後、三島由紀夫は自決する。

本作で感じることは、やはり三島由紀夫のカリスマ性。その立ち姿、その言葉、その熱量、何より1000人の前でたったひとり立ち向かう姿に彼のカリスマ性を感じせざるを得ない。
鷲尾翼

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