CINEMAと暮らす

三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実のCINEMAと暮らすのレビュー・感想・評価

3.5
東大900番教室で行われた三島由紀夫と東大全共闘による伝説の討論を振り返るドキュメンタリー。

1000人もの全共闘が待ち受ける場に単身乗り込んだ三島は挑発にも乗らず、揚げ足も取らず、対話を通して、自分の信条を訴えた。
各国での民主化運動や反差別運動はテレビの普及とともに広がり、日本では反米・反体制運動に発展した。
安保闘争に発展するまでの前提知識は入ってるものとして、三島由紀夫との対話にフォーカスしているので、理解が及ばないところもあった。

それ以前に、自分には愛国心はほぼ無いことがわかるきっかけにもなる作品だった。

同世代が戦争で死んでいく中、生き残ってしまった人たちを動かすのは愛国心なのか、申し訳なさからの償いの気持ちなのか。
SNSで個人同士が繋がるようになった世界で、国にこだわる理由は薄れてきているように思う。
資源の奪い合いや主義主張の争いよりも、国際的な協力体制をもって、医療や技術開発を進め、より大きな問題解決に時間と労力を割いた方が良いと感じる。