あわじゅん

三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実のあわじゅんのレビュー・感想・評価

3.7
新型コロナウィルスの発生という、前代未聞のパンデミックで、まるで戒厳令秒読みのような今、奇しくもこのような作品が表出しようとは。

1970年11月25日。市ヶ谷駐屯地。今も鮮明な映像として残る三島の自決。

1960年後半、「テロルの季節」。

駒場900番教室で行われた、最高知の格闘は圧倒的な熱量を持って迫り来る。

国家、殺人、時間の価値観、天皇、サルトル....。

目まぐるしく変わる知の討論。

圧倒的雄弁な三島の天才ぶり、咀嚼し即応する全共闘。

中でも見所は全共闘一の論客、芥正彦との討論。

芥の小気味いい、切り返しとお互いを認め合い、共鳴していく潔さ。

討論とはこうあるべき。

イデオロギーを越えた狂気の熱は50年後の私達を魅了する。

この季節こそ、私達がなくしてしまった何かかもしれない。

この映画で私の中の三島が甦り、
頭の片隅にこびりついてしまいました。

豊穣の海四部作に再チャレンジして何か生まれるか?
試してみます。

それにしても、芥正彦....。
久しぶりに奇才に遭遇。