たく

三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実のたくのレビュー・感想・評価

3.8
1969年に三島由紀夫が東大全共闘1000人を相手に討論した記録映像を中心に、当時の時代背景を描き出して行くドキュメンタリー。今の日本ではとても考えられないような学生運動の激しいデモ映像を見たら、若い人はびっくりするんじゃないかな。

三島由紀夫が討論会の冒頭10分ほどユーモアたっぷりに行うスピーチが印象的で、頭脳の明晰さを感じさせる。でもこの途中で後の自決を匂わせるようなくだりが出てくるのが怖い。
途中で登場する論客の芥正彦の癖のある存在感が圧倒的で、彼の主張自体は言葉遊びみたいな抽象的な内容で全然入ってこないんだけど、三島由紀夫が圧され気味になってたね。
全体が4部構成になってて、ナレーション(東出昌大!)と現在のインタビュー映像が討論の内容を補完してくれるのが分かりやすかった。左翼と右翼で対立するように見える両者が、実は対立点はそこじゃなくて両者は本質的に愛国精神で繋がってて、最後に共闘を呼びかける思わぬ展開に驚いたのと同時に、日本の敗戦が総括されないまま現在まで続いてる闇も感じた。

社会学者の橋爪大三郎が元全共闘だとは知らなかった。