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三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実のヤスヤスのレビュー・感想・評価

4.2
三島由紀夫は昔から好きで、本作の討論の前年に早稲田大学で行われた学生との対話のカセットブックを聞いたことがあるが、学生のかなり失礼な質問にも、時にユーモアを交え、真摯に対応する三島の語り口が印象的だった。(このカセットブックは何故か表紙に東大全共闘との討論の際の写真が使われていた。)
本作での東大全共闘との討論でも、三島は思想的には対極にある学生相手に終始敬意を払いながら、丁寧に対話を試みる。噛み合わない議論にも、時に角度を変え、次元を変え、縦横無尽に語りかける。映像で蘇るその姿に感銘を受けた。この「知の巨人」に挑む学生側の熱さも、今では考えられない。
関係者のインタビューも効果的。期待以上の内容で、約3ヶ月ぶりの映画館であったが、充実のひと時であった。(ナビゲーターの人選だけが疑問。)
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