くう

わたしはダフネのくうのレビュー・感想・評価

わたしはダフネ(2019年製作の映画)
3.7
オンライン試写。

ダウン症の娘を遺して妻が逝ってしまい、絶望する父……けれど娘は快活で両親の良い所を譲り受け、自分を引っ張る存在になっている。

親が思っているより、子どもはずっと強い。実は守られているのは自分なんだよな…と、どこにでも在る親子の姿に考えさせられる。

ダフネが本当に可愛くて、職場や出会う人々みんなに愛される姿が微笑ましい。賢く強く、助けられるよりもむしろ助けて生きている。

お母さんはほとんど出てこないが、ダフネを見ているとどれだけ素晴らしい生き方をされていたのかよく分かる。まさに子は親を映す鏡。

偏見なくフラットに物を見ることの大切さについても考えさせられる。

「保守」「偏見」の中で苦しんでいるのが周りの他人ではなく父親だという設定が興味深い。

他のユーザーの感想・評価

なな

ななの感想・評価

3.8
彩度の高い画がとにかく美しい。暗闇の詩情も豊か。
途中から、死んだ母親の視点で親子を観ているような心地になった。しかし、いつのまにか寡黙な父親にどんどん感情移入してしまった結果、最後は涙が溢れてしまった。理解出来ない娘が同じ人を悼むことを知り、心が通じ合った瞬間。普遍的な物語。
hikari

hikariの感想・評価

3.9
オンライン試写にて鑑賞。
理解者の母が突然亡くなり、残されたダウン症の娘と、塞ぎ込んでしまう父。
母の故郷まで歩いて旅をすることで、大切なものに改めて気付かされ2人の傷が癒えていく。
イタリアのしずかな田園風景と親子の心の機微が美しい映画だった。

主演のカロリーナ・ラスパンティは自身もダウン症で、監督に見出されこの作品が初めての演技だったらしい。
自然体でチャーミングで愛されるダフネそのものだと思った。しかも、自伝小説を2冊出版しているらしいのだけど、その全収益をダウン症支援団体に寄付しているらしい。素晴らしい。
たとえ子供に障害があったとしても、父と娘ということには変わりはなく、成長させてくれる存在なのだと改めて感じる。

「人生はしんどいものよ
つまり人間らしいってこと」
「本当の友達ならいつも
前でも後ろでもなく隣にいてくれるものよ」
「父さんは自己評価が低すぎる」ダフネがそばに居てくれたらそれだけで人生楽しいだろうな。

ウィットにとんでいて心温まるラストだった。
かむ

かむの感想・評価

3.5
オンライン試写会にて鑑賞♥︎

久しぶりの映画鑑賞は、イタリア映画のイメージを覆すじんわりと心温まるヒューマン作品 🇮🇹

ダウン症があってもなくても、父と娘のわかりあいたいけどわかりあえない複雑でぶつかってしまう関係性はとっても感情移入できる

親子といえども別々の人間やからそれぞれの考え方に触れて助け合い互いに成長することは人生においてとっても素晴らしいことやなぁ〜って思う 😌
「わたしはダフネ」母親という支えを失った娘と父親の助け合いのお話です。ダウン症だろうが何だろうが、人の悲しみや苦しみは判るんです。優しい気持ちが全ての問題を解決します。
https://t.co/K7qnPRMNuh?amp=1
emedia

emediaの感想・評価

3.4
母の突然の死によって鬱ぎこむ父がいて
ダフネは亡き母(マリア)の故郷へと旅に誘う
ただでさえ寡黙な父(ルイジ)は
自分が亡くなったあとの娘を不憫に想い
天真爛漫なダフネは
もう「おとな」だから安心してほしい

愛する人を失なった哀しみが癒えることはない
ただ遺された人々には
亡き人を安らかに弔うつとめがある
父娘が支え合いながら母の死を弔う旅に・・

二人がイタリアの自然と人々に囲まれて
心が晴れわたるストーリーである
o

oの感想・評価

-

このレビューはネタバレを含みます

両親の寝室に入らないことの決心の意味と、その後入ることの意味。
ラストは実体験に基づいてるのかな…?
創作だとしたらすごいな。
同じ匂いがするということ。
監督が地に足のついた映画にしたかった、と言っていた。ダウン症がどうとか、多様性がどうとかそういうことじゃなく、1人の女性が一生懸命に生きるということについて。
音楽の少ない(ほぼない)映画だった。その分、音や声や感覚が映画よりも現実だった。
すごくよかった。
ちぴ郎

ちぴ郎の感想・評価

3.6
病気ってなんであるんだろう。
私たちが特に病気とされず生きてて、ダウン症は染色体異常?だか病気てことになってるけど、もしかしたら200年後は病気ではないということになっていたりしないかな。
ダフネがとってもチャーミングで、ラスト、こんな発見をしていたのと思うと愛おしすぎた。

2021.62
なほ

なほの感想・評価

-


一年前から見たかった作品。
公開延期だった上に、
東京でも一館でしかやってなくて
多くの人に見てもらい辛いのが残念。

ダフネと父の関係がメインだが
父よりもダフネの方が職場の人や
自分の友達、道端で会った人達とも
関係を築いていっていて
それぞれの小さいストーリーがまたいい。
ちょこちょこ微笑みながら泣いてみた。

父は本当に情けない。
でも、その父が自分に情けなさを
きちんと感じながらもダフネに
ついて行こうと少しずつ成長する
姿にまた泣ける。
ダフネの成長物語じゃなくて
父の成長物語。

最後のダフネの、
あの発想はなかったなあ。

どこまでが脚本でやってるのかなあ
と気になってくるような
ドキュメンタリー的な
写し方だった。
pherim

pherimの感想・評価

3.9
ダウン症の女性ダフネは、母が急逝したあと塞ぎ込む父を見かね、母の生まれた村へのふたり旅を提案する。

快活な娘が、娘の障碍を心配の種にしたがる父の弱気をほだす流れは秀逸。イタリア映画の良種に充ち、人として気高く生きようとする魂はアポロンに追われるダフネそのもの。
Mamamaland

Mamamalandの感想・評価

3.8
障害があってもなくても親が子どもの力を信じてそのままを受け入れ愛して育てれば前向きな大人に成長するのだろう。その結果、
自分ができること、人の助けがいること、自分が助けてあげられることちゃんとわかって生活することができる。
この女優さんもそうだぅたのかな?と思うほどの溌剌とした演技だった。
あと、イタリアのポプュラーソングって歌詞も音楽も粋でおしゃれでいいですね。
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