半変人のお調子者

耳をすませばの半変人のお調子者のレビュー・感想・評価

耳をすませば(2020年製作の映画)
1.2
元々「10年後を描く」と聞いた時から、えっそれは…と思っていたけど、観ていないのに文句を言うのは違うかなと思っていて、あまり言わないようにしていた。

でもちゃんと観ました。
観た上で言います。

やっぱり10年後の話は蛇足以外の何物でもなかった…
『耳をすませば』は青春の甘酸っぱい感じをそのまま閉じ込めたような爽やかさとちょっとした小っ恥ずかしさが良い所なのに、今回の10年後はそれを全て食い潰している。
あとあの後の二人がどうなったのかはこちらの想像で終わらせているから、『耳をすませば』は余韻があって良い作品となっている。そこを描いてどうするんだ…
結ばれても余韻を潰す蛇足、結ばれないと後味悪い、どう考えても八方塞がりなのに、何故作ろうと思ったのか…

というかそれ以前に、なんだかめっちゃキツい。
画は間が抜けて見えるし、登場人物がどうしても違う人に見えるし、謎に翼をくださいを推してくるし…

特に過去パート。ずーっと「月島雫と天沢聖司を名乗る誰か」の話を見せられてるようで、不自然の極みだった。
聖司のストーカー性をより強調するような演出もしちゃうし、何考えてんだ。
本を前もって読んでた云々は彼の語りだけで済まされるからギリOKなんだよ。それを回想で見せたら完全にOUT行動にしか見えない…

過去パートは不自然、10年後パートは蛇足。
本当に何故作った…としか言いようのない作品。

今年一番キッツい映画体験だった。

映画評価基準

この映画が好きか 1
没入感 0
脚本 2
映像 3
キャスト 5
感情移入度 3
音楽 3
余韻 4
おすすめ度 2
何度も観たくなるか 1

計24点