竹野康治郎

耳をすませばの竹野康治郎のレビュー・感想・評価

耳をすませば(2020年製作の映画)
3.5
原作漫画の10年後を描いた作品ではありつつ、ジブリの「耳をすませば」の実写化でもあります。原作漫画は読んでいませんが、ジブリの耳をすませばは鑑賞しています。正直、ジブリなのか原作なのか、イメージに引っ張られ過ぎている一方で設定とも言える骨格がどうしても甘く感じてしまい、ジブリイメージから入るとかなり厳しいです。一方でジブリの「耳をすませば」を知らない方にとっては「恋愛映画」としては観れるかと思います。

まず、かなり多くの方はジブリの「耳をすませば」が脳裏になりながら、鑑賞したのではないかなと思います。10年後を軸に描いていますが、時代背景やキャラクターの作り込みなどがどうしても曖昧に感じてしまいます。とにかく雫の設定がわかりづらく、どこを目指し、何がしたいのか?10年前にチャレンジしたことから、あまり成長曲線が見えないことから、
誠司とのギャップも感じて、キャラクターとしてアニメ版を観ている人からすると魅力を感じづらいです。過去の再現に関してはやっぱり違和感を感じました。

2人のやり取りやすれ違いも懐かしさと捉えるか、古さと捉えるかによっても大きく変わります。私のもう一つ上の世代は懐かしく思い、私にとっては古く感じました。

一方でアニメ版の「耳をすませば」を鑑賞していない人にとっては非常に観やすい恋愛映画であったみたいです。嫁が実は見ていない中で映画を見たので、非常に面白かったという反応でした。本当の初見の方からすると、社会にでて、憧れていた人はどんどん先に進むも、なにも変われていない自分にもどかしさを感じながら、どう1歩を踏み出すのか、という見方になっていました。これは雫も誠司も実は言えることで、嫁はめっちゃ共感していました。でも、ここまで相手を思えるなら、なんかまどろっこしいよねって急にリアリティが出てきて、感想を聞いて面白かったです。

色々な意見はあるかと思いあますが、鑑賞して、自分なりの意見を持って欲しいなと思います。是非。

2022年公開作品 58本目
竹野康治郎

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