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プライス -戦慄の報酬-のYuukiのレビュー・感想・評価

プライス -戦慄の報酬-(2019年製作の映画)
3.0
音信不通だった父親から「会いにこい」という手紙を受け取ったノーヴァルは、人里離れた海岸線の邸宅を訪れた。30年ぶりに再会を果たしたが、特に感動や喜びは無く、何か理由がありそうなのに話そうとしないし、要領を得ない。何やそれ…と思って帰ろうとしたら、突然父親が包丁を持って襲いかかってきた…と思ったら、さらに予期せぬ事態が巻き起こる〜!!な話

ダニエル・ラドクリフと張り合うかのように尖ったインディー映画によく出てくれるイライジャ・ウッドのファンなので、見ました。最初の30分はしょうもない男ノーヴァルとさらにしょうもない父親のフワフワした掛け合いがかなりだり〜って感じだしストーリー自体はかなり小粒ではあるんだけど、中盤の急展開からの全員の全ての行動が裏目裏目に出てしまう訳の分からない狂った展開がやけにツボにハマってしまって、トントン拍子に面白く感じてしまいました。劇場内から笑い声も上がるぐらいツッコミ不在のシュールな大喜利の回答を見せられてるかのような雰囲気。でも、ずーっと「何だったんだ…」と言わざるを得ない空気の中であれだけ成立させられたのは、画面に収まるイライジャ・ウッドの醸し出す安定感&狂気のおかげかもしれません…

登場人物のほぼ全員がバカかつ悪人で救いようが無い展開ながら、絆を築くことができなかった父と子の一瞬の心の邂逅があって、何となく上手く締まった感はありました。終わり方も良い。それにしても、原題が「Come to Daddy」で、クライマックス付近の一番いいところで「April 14th」が流れて、「Aphex Twinつながりかいっ!!!」となってしまいました。そんな感じで、トータルなかなか面白かったです。あと2/27で上映が終わるので、気になった方はお早めに…
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