このレビューはネタバレを含みます
多分ランボーでない単発映画だったら
ちょっと攻めた戦争映画だと思う。
けどランボーでやるからこそ深みが何倍にもなる。最後のランボーとして最高だった。
(5あるんかい。)
ランボーのキャラは時が経つほど深くなる。
彼は戦争に取り残された男だ。
当時は英雄でも戦争が終わればみんなから忘れ去られるような存在。だから20年経って世代交代が起きて、みんなランボーを知らず、シリーズを通してずっと出ていたトラウマン大佐ももういなくて、誰もランボーを知るものはいない。人生を無駄にしたと嘆き、無気力なランボー。それでも見ず知らずの人のために命をかけてランボー2のように人々を救いに行くのがすごい。
結局いつもやってることは同じだけど
何十年という時が経ってもそれをやってることが
重要。
20年経っても変わらないランボーのパワーは凄いと思うし、
20年経ってもなくならない戦争はクソだなと悲しくなる。この内容を単発で新しいキャラでやったら普通だけど、歴史あるランボーでやるからグンと色々深くなる。
アクションはほとんどラストの一回だけで
2と比べると少なめだけど、2、3で感じてた
戦争をエンタメにしすぎてる感が一切ないのがよかった。映画にしてる時点でエンタメなんだけど、今回は実際に行われてる残虐な行為をそのまま映してるから言いようにないリアルさがある。最初のデスマスクの生々しい記録映像を見て、
完全にこの映画のテンションを語ってるなと思った。多分2での村の悲しい現実をカットしてたからアクション多めにできた。今回はランボー以外の視点＝一般人がなすすべもなく殺される虐待されている現実をしっかり描いたからアクション少なめになったんだなと思った。
夜の雨での会話シーンから船でのサラとの会話シーンへ続く部分で少し会話が長いなと思ってしまったり、
ランボーがサラ達を船で送るシーンでめちゃめちゃカットごとの色味がピンクだったりアンバーだったりバラバラで「え？」ってなったり、
地雷歩きは2回もいらない気がする。
1回でいい気がする。あざとさがます気がするとか思ったり、
1や2のリアルな迫力に比べると、今回は雑なCGがあったりすこし見劣りしてしまったなとか思ったりしたけど、
冒頭の通り、
ランボーであり続けてくれたことが凄いので
ただひたすらにすごく胸に響いた。
過去のランボーの映像がフラッシュバックのように使われて、彼の人生は常に戦争と共にあったように描かれるのが凄い「最後！」って感じがした。5あるけど。
1で戦争から解放されて街に帰ってくるところから始まって4のラストでまた戦争から解放されてのどかな場所へ戻っていくこの構造はすごく綺麗だなと思った。
(通常盤と追加版との違いだけど
会話が長くなってていらない部分もあった。
でも銃を1発しか撃ってないのに同じカットそのままループさせ4発みたいにする謎編集はなく
何よりランボーが手を振るラストがこっちにしかないのを知って絶対こっちがいいなと思った。あのバイバイは観客に向かってのバイバイなのかもしれないし、ランボーの手を大きく見せることで今まで彼が何十人もの人を殺してきた全ての歴史が詰まった手をじっくりと見せてくれてるのかもしれないし凄いよかった。ただ劇場版の方が残虐性は高くて、それはエクステンデッドから消さなくてもいいんじゃないかなとも思った。)
