えそじま

タルテュッフのえそじまのレビュー・感想・評価

タルテュッフ(1925年製作の映画)
4.7
現在進行中の劇の中で劇中劇がメタ進行する王道の枠構成(この時点でもう既に使い古されているようなので)に関しては、今更観たところで何ら驚くことはないが、創意に満ちた光と影の流動、衣装・美術のディテール、荘厳且つ幻想的な建築様式、サイレントという限られた手法の中で追求された映像だからこそ、その真髄に触れることができる。


ちなみに偽善者という言葉は今でこそ「偽の善意を押し付けて悦に浸る」といった内面を指して多く使われがちだが、ここでは「善意を装い悪事を働く」という外的な行動そのものの方を指す。前者においてはその対象が不快にでも感じない限り何も問題ないし、横から非難される謂れもない。にも関わらず誹謗の言葉としてたびたび使われるわけだが。
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