荒川自転車乃介

パピチャ 未来へのランウェイの荒川自転車乃介のレビュー・感想・評価

3.5
舞台は90年代のアルジェリア。ファッションデザイナーを目指す大学生が、イスラム原理主義の風潮に抗いながら、ファッションショーを開こうと苦闘する、実話がベースのストーリー。
ただ、主人公はノリが良くて、だけど、芯の強い女性に描かれていて、遠い異国の話と感じさせず、感情移入できる。
ファッションも、感覚も、欧米や日本ともそんなに離れていない女性たちが、イスラム原理主義の波に飲み込まれそうになる恐怖が、嫌というほど見せつけられる。
実話ベースということに、ため息が出そうになる。
国が違うが、アフガニスタンでイスラム原理主義勢力のタリバンが再び政権についた。米軍が去る時に、多くのアフガン人が乗せてくれと集まってきた映像を見たが、この映画を見ると、その気持ちがよくわかるような気がした。
この映画は、アルジェリアでは公開されていないという。アルジェリアは今、どんな状況なのだろう。とても気になった。