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パピチャ 未来へのランウェイのmocoのレビュー・感想・評価

3.9
1990年代のアルジェリアの都市アルジェ、そこは女子大生がキャピるには息苦しい世界。宗教、伝統、治安、とにかく女性が自分らしさを活かす選択肢の無い世界。
主人公/ネジュマは女子大生でファッションを楽しみたいどこの国にもいる普通の女のコ。お国柄、「女とは」を常に押し付けられ、制限させられる事に苛立ちを隠せない。抗いながら進めるファッションショーは希望の光で皆を輝かせるも
正に命懸けで、信じられない光景で幕を閉じてしまう。

ストーリーはとことん救いようのない現実を突きつけて来る、しかしながら、主人公を含め皆が驚くほど煌めいて見えた。

特に、身内の死をきっかけに、残された伝統ある布/ハイク(5メートル四方の1000年も続く伝統的で抵抗の象徴ともされる白い布)を指先だけで、曲線やプリーツを作り出し、ドレスを作るために試行錯誤するシーンはこの映画を見てよかったと思える程に力強く美しかった。

年老いた母親がが子供達にヒジャブの羽織り方を教えるシーンも、たかが羽織り方だけど、女性を抑圧する知らない歴史があって悲しくなった。

伝統の大切さと、伝統が及ぼす女性に対するしがらみを融合する方法は無いのだろうか…
どうしてもっと、自信を持って、女性に自由を与えられないんだろう。
日本も学生の頃は制服だの校則だのあるから若い子たちを押さえつけてはいるけれども、彼女達にはこれが一生だもんね。。。生涯の制服。
面白くないし、臭いし、何にも良いことないのに。
早く気付いたほうがいいよ。
早く解き放ってあげたいよ。

完全に女性主体で描かれた作品で、見る人を選んでしまいがちですが、
大変美しい作品でした。
緊迫するシーンが度々訪れるので、抑揚もしっかりしていて、世界観に引き込まれる作りなのも👍

主演の女の子がかわいいなー、誰かに似てるなーと思ったら、
まさかのタレントのニコルだと気が付いた!
可愛くてたくましい心のニコルも是非観て頂きたい🍒


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物語は1990年代。今現在、女性の立ち位置は?内政や治安はややこしい歴史もあり、現状はあまり変わらなさそうで辛い😮‍💨

アフリカ大陸の北側で地中海に面したイスラム教の国
四人の輝かしい海水浴シーンはきっと地中海
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