フランスの風変わりな気候学者が、ゲーム好きのインドア系息子を強引に引き込みながら、雁のひな鳥に渡り鳥のルートを教えるという無謀なプロジェクトに挑む話。ルートを教える際には軽量飛行機を使って一緒に空を飛ぶという。これはちょっと珍しいタイプの映画だ。
フランスの田舎町から始まり、まずはスカンジナビア半島まで車で移動するロードムービー。帰路は空の旅という事で、雄大な自然と雁の姿を眺めるだけでもかなり楽しめる。
加えて、このプロジェクトの背景にある絶滅危惧種保護の話や、息子の自立に向けたドラマ等、映画的な見どころも用意されている。
本作は実話ベースという部分で評価が高くなっているようだが、実話もの嫌いの僕は、例によって、実話に近づけるため、或いは実話に演出を加えるために、動物達に過剰な演技を強いる事は無かったのかが、どうしても気になってしまうのでスコアはこの程度。対象が絶滅危惧種となれば尚の事。作品の主旨的に、あまり悪い想像はしたくないのだけれど。