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モルグ 死霊病棟のFoufouのレビュー・感想・評価

モルグ 死霊病棟(2019年製作の映画)
1.8
南米の映画ですね。パラグアイですか。南米のノリ、ちょっと懐かしいですね。男用小便器の水を流すのに、バルブを一々開閉しなきゃなんないとか。彼らはどこでも大便小便するイメージだが(偏見!)、本作でもそんな感じだから、ウン十年以来変わらないのかも。スズキの浜松工場では、南米からの労働者向けに、「シャワー室での大便禁止」と現地語の注意書きが至る所に掲げられているといいますからね。。

スーパーの駐車場に白のトヨタのハイラックスが停まっている。そこへ主人公の若人がキョロキョロしながら近づいて、ドアに手をかけたものだから、てっきりこれを盗むのかと思いきや、嬉しそうな顔をして自撮りを始める。こういうシーンをアメリカ映画や邦画ではあまり見ない。嬉しくなります。で、彼の愛車は、ハイラックスの陰にある、オンボロの小型自動車。車は発進すらろくにできない。だから運転席のドアから半身入れてハンドル操作しながら車を人力で押しつつエンジンをかける、という冒頭のカメラの引きのシーンから、俄然期待値は上がるわけです。ひと気のない直線道路で、向こうは海なのか荒地なのか、茫漠たる闇を挟んで対岸に煌々と連なる街灯。ああ、でもオンボロ車が生きるのはこの一瞬だけ。

あとはお決まりの、主人公の粗忽ぶりにイライラさせられながら、愚かは必ず罰せられるを知る展開となります。

まぁ、モルグ、死体安置所で出来する怪奇現象を扱ったワンシチュエーションホラーです。警備員の若人が不意に電話で呼び出されて、一夜モルグの警備を臨時で任される。そりゃ、色々ありますでしょう。そこに一体だけで、白布をかけられた仏さんが置かれていればなおのこと。

しかしあんなふうにひと晩仏さんって放置しておくものなのかしら? 冷蔵庫、と称するくらい室内は低温に維持されているようですけど。死体の発見は深夜だったから、司法解剖は翌日に、とはなんとも悠長な気がします。それとも司法解剖が済んだあとなのか。それならそれで、あんなふうに放置しておくものかね。

基本、ドッキリ映画です。夜闇から異形のものが、「わっ!」とくる、アレです。それの連続。だからあんまり怖くないです。慣れちゃうので。

オチは……。それこそ、三十分弱にまとめてオムニバス形式のテレビドラマにしたほうが映える感じです。あの世の法の執行者も、時代が下るとエミネムばりの力強い?ラップを歌うイケメンになるんですね(笑)。懲らしめ方が、なんとも回りくどい。どうせなら、若人を改悛に導く懲らしめ方をしなきゃ。

ハリウッドがリメイクするんだとか。お金をかければ、たしかにもう少しなんとかなるのかも。
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