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マリグナント 狂暴な悪夢のmasatのネタバレレビュー・内容・結末

マリグナント 狂暴な悪夢(2021年製作の映画)
2.0

このレビューはネタバレを含みます

長い。
ラスト20分までの91分もの“前振り”が退屈で耐えられない。

と、ジェームズ・ワンに向かって(ホラーの良心を復活させようとしているリーダーに向かって)失礼かもしれないが、ブラムハウスのプロデュースから離れたホラーだけに期待してしまった。

兎に角、丁寧すぎる。
思えば、『ソウ』(04)も、あのラストに向かって、何度も野暮ったくなる。そして、自らメガホンを執った“死霊館”2作品(13、16)も、丁寧過ぎて長い。(この日本の“怪談”的な死霊館の凡長なリズムがアメリカで受け入れられ、後進の発育効果も発しながら、サーガを描いているのが驚きだ)
さらに、デジタル技術の躍進によるカット数の多さ、“抑え”(なる最低の発想)による無駄なカットも含め、長さがさらに増している。

ワンによる、あの低予算に立ち返ったホラー『インシディアス』(10)の奇跡がなければ、こいつホラーはダメだな、と見切りをつけるところだ。

本作の突然始まるクライマックスは、今っぽい、ロールプレイングゲーム的な軽い画によって、その20分は、あの強烈強引なオチと共に、そこそこ観せる。
所謂、ホラーの一つのジャンル、双子・双生児のトリック・ホラーの亜流だが、その種明かしの瞬間に全てを賭ける、その気概は感じるが、無駄甚だしい91分に付き合って初めて到達できるのは、やはり画期的とは言い難い。
ラストカットの落ち着き払う魔の空間も、それほど品格を漂わせない。
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