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マリグナント 狂暴な悪夢のmatchypotterのレビュー・感想・評価

マリグナント 狂暴な悪夢(2021年製作の映画)
3.9
これは面白い。怖いけど、面白い。

ホラーにおける定番中の定番的な要素もあり、オリジナリティもあり。

いわゆる古のジェイソンとかフレディ的な猟奇さもあり、エクソシストとかの悪魔や呪いっぽい雰囲気もあり、最近の『ハッピーデスデイ』みたいなただのお化け出てきて怖い、とも違う斬新さもあり。

ジェームズワン監督と言えば、『ソウ』『インシディアス』『死霊館』『ワイルドスピード』『アクアマン』を撮ってきた監督。

そう思えば、色んな意味でそれらの良いところが全部ギュッと詰まってる感じ。良かった。

スタートからの前半部分、いきなり結構ぶっ飛ばしてくる。正直途中まで何の話か全くわからない。

何か“この世のものとは思えないヤバい何か”がいて、それが主人公の女性と関係して、彼女の周りでそれが蠢く。人が死ぬ。

その、主人公の彼女とは無関係の、よく知らない人がよく知らない場所で“何か”に殺されるその瞬間を、“彼女がその現場で見ているかのような感覚”に侵される。

これは果たして夢か、呪いか、予知か。

その現象を突き止めようと動くと、彼女も覚えていない、とんでもない過去に直面していく。

そして、突き止めようとしている間に次から次へと人が殺されていく、、、。

果たして、その現象は何なのか、そしてその“何か”は何なのか、、、。

まったくよくわからない滑り出しから、どんどん色んな箱が開けられていって繋がっていく。

その“何か”も何かの意思があり、どういうわけかエレクトロニックな力で電機機器を使ってコミュニケーションを取ってくる。

この彼女に起きる現場を覗く現象もどういうわけか途中からワクワクしてくる。人が殺される現場ではあるけど、何かが進展していく、何かの手がかりが現れる兆候であるかのような。

夢?悪魔?予知?みたいな荒唐無稽な話を聞かされる警察側の現実的な言動も効いていて、「は?」って感じから「おいおい、マジかよ」になって、「なんや、こいつはぁぁぁ!」になっていくのも、観ているこっちの気持ちを代弁してくれていて話にとてもついていきやすい。

正直ホラーは苦手。
基本的にそういうシーンになると耳を塞ぎながら指の隙間からうっすら目を開けて怖いもの見たさで観るタイプ。

そういう定番のシーンも存分にあって、何でそんなに霧がかかるかな、とか、そんな雷雨あるかな、とか、さっと振り向くといないけどゆっくり振り向くと、、、とか、その地下なに、とか、大きい換気扇がある荒れた部屋とか、廃墟の病院、とか、暗闇の中で何か音がするね、とか。

出てきそうで出てこない!なんだよ、、、うわぁ!とか、そのタイミングがめちゃくちなら絶妙。

身構えて力を抜いた瞬間にやってくる。心臓に悪い。
でも、話が面白いから耳で聴きたいし、目で観たい。でも、怖い。面白い。
1人で映画館であたふた忙しくしてた。

最終的な“何か”の事実、正体。
それが徐々にはっきりしていく様、そして、それ自体、そして、その解決方法も含め楽しめた。
面白かった。
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