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マリグナント 狂暴な悪夢のBeSiのレビュー・感想・評価

マリグナント 狂暴な悪夢(2021年製作の映画)
5.0
GW中にまたまたゲオへ。新作が100円で借りられる期間がちょっと短すぎないかなとは思いますが、まあそれは置いといて。

ついに借りました!!ジェームズ・ワンの新作「マリグナント」!!邦題付けた奴名乗り出ろ!!いやぁ...BluRayで観れたことも凄く嬉しい。以下レビューです......🤩

とある出来事をきっかけに、恐ろしい殺人が目の前で展開する悪夢に苛まれるようになった女性。そして彼女が体験した悪夢は、現実の世界でも次々と起きていく。事件と悪夢の間にどんな関係があるのか、彼女はその謎に迫っていくが......。


✔ジェームズ・ワンの原点回帰と映画愛
映画ファンが求めていたもの。それはジェームズ・ワン独自のホラーテイスト。「インシディアス」「死霊館」シリーズ一部を手掛け、多くの観客を恐怖に陥れた彼の真骨頂が本作でパワーアップして蘇った。こ、怖いよぅ。ガチめな話、"来る!!!" って思う度にTシャツに包まってました。これもまた嫌な話なんですけど(褒めてる)、ビックリして怖くなるシーンでなんか凄い勿体ぶるんですよ。出るんなら早く出てこいよ!!って思う時に限ってモノが出てこなかったり、出てくるまで遅かったり。観る人の寿命を縮ませるのが好きなんだなこの人は(すいません)

そしてもうひとつ!評価すべきポイントが!それは、本作の監督であるジェームズの、80年代SFやホラー映画へのリスペクトが表れている工夫の数々。(映像特典より)ストーリーの肝となる怪物ガブリエルは、実際に粘土を使ってオブジェを作ったそう。そのグロテスクな造形は「遊星からの物体X」「エイリアン」を彷彿とさせます。成人指定という事もあって人体破壊描写やスプラッター描写が凄いんですが(大興奮)、その面でも一昔前の名作映画たちに影響を受けているとジェームズは言います。

✔極限まで追求されたリアリティ
先程のガブリエルもそうですが、ジェームズはとにかく本物に近づけようと様々な工夫を施しています。特に紹介したいのが、スパイダーカムを使って撮影されたワンシーン。真上から見下ろす形で撮影しているんですが、全てワンカット。臨場感や緊迫感が一味違います。普通なら編集で自然に見えるよう繋げるものですが、ジェームズ・ワンはそうはいかないんですね。本当に凄い。オブジェの製作から特殊な映像撮影まで......凝ってる。マッケナ(成長!!)のガブリエルを付けてはしゃいでる姿がめちゃくちゃ可愛いので見ろ

✔本作のジャンル
"この映画はどういうジャンルに分けられるんだろう......" 多くの方が思ったことでしょう。前半はホラー、後半はサスペンス、終盤はアクション。どれも、2時間弱の本編に均等に詰め込んであるために、定義付けるのが難しい。十分怖いし十分予想出来ないし十分カッコイイし......。ジェームズ・ワンの開拓する新感覚の映画体験は、多くの映画ファンを熱狂させるに違いない!!!ガブリエルの本領が発揮される、留置所と警察署でのハードボイルドアクションシーンは絶対見た方が良いです。思わず叫びたくなります。イヤーー!!!

✔アナベル・ウォーリス
(映像特典より)主演のアナは "ジェームズのような、芸術的にハイレベルな監督と仕事がしたかった" と話します。いや、貴方も十分ハイレベルですよ!!と言いたくなりました。彼女無くしてはこの映画は深く知ることは出来ないと僕は思います。怯えた表情や緊迫した様子、叫び声、どれもこれも迫力に満ちた演技で、ホラー映画がとても似合う女優さんだなと。訛りを全く感じさせない自然なアメリカ英語も聞いていて心地が良い。この映画がきっかけで好きになりました。BluRayで観るとなお一層、彼女の美しさが際立ちます。綺麗すぎます。ちなみに、予告にもあった、寝転がっているマディソンの後ろからガブリエルが顔を出す際に赤く照らされてめちゃくちゃに緊張した彼女の顔が映るカットがものすごく好きです。名シーン。



ジェームズ・ワンの回帰地にして新境地。度肝を抜かれること間違いありません。ここ数十年で最も素晴らしい傑作ホラー。
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