リー・アイザック・チョン監督、脚本、スティーヴン・ユァン、ハン・イェリ等の共演によるドラマ。
1980年代、アメリカアーカンソー州の高原に引っ越してきた韓国系移民家族の姿を描く。
ユァン演じる一家の主人ジェイコブは、農業で成功することを夢見ているのに対し、イェリ演じる妻モニカは現実派、しっかり者の娘と、病弱な息子という家族構成に、途中からユン・ヨジャン演じるやりたい放題の祖母が加わるという構図になり、それぞれ個性がわかりやすい設定となっているため、物語にはすんなりと入っていける。
時折、ウィル・パットン演じる信仰深いポールが絡んでくるが、その農業の手法がジェイコブと対照的に描かれているのもポイントの一つ。
正直、物語はそれなりにアクシデントは起こるものの所謂映画的な派手さはなく、淡々と進んでいくが、そこに描かれるのは、優しくも熱い、ありのままの家族の姿であり、派手さがない反面、一つ一つの出来事がじんわりと心の深淵に沁み渡ってくる。
美しいアメリカの大地に目を癒される反動からか、家族のエピソードにやり過ぎな面が垣間見えるのが残念だが、それでも何かが起きそうで何も起こらない系の作品として完成度の高さを誇る一作。
空が緑色だな。
