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ミナリのスクリーンのネタバレレビュー・内容・結末

ミナリ(2020年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

アメリカに移住した韓国人一家のお話しで、
夫と妻、女の子と男の子の4人家族。
引っ越しの車が着いたのはアーカンソン州の片田舎。
それもトレーナーハウス!
奥さんが怒るのも無理無いと思う。
心臓に持病を抱えている男のデビットを育てる上でも、
病院は遠いし、周りに相談出来る人もいない。
もっと便利で、雇われていても安定した収入がある方がいいと
思っている妻と、農業で自立し、成功したい夫との気持ちのずれは
十分理解出来る。
やっぱり女性は安定を求めて、男性は夢を追いかけるってパターンが
多いように思う。
実際、畑に引いていた地下水がひあがってしまったり、
水道水が払えなくなったり、苦労の連続。

そこへ韓国から妻の母親がやって来る。なかなか破天荒な人で
孫に花札を教える。(笑) 家事や料理は出来ないけれど、
孫の事はすっごく思っている。
初めは漢方薬を飲ませるおばあちゃんとデビットは上手くいかないけれど、次第に打ち解けていく様子が微笑ましくて笑える。
けれど、ある日脳梗塞で倒れ、体に麻痺が残ってしまう。
デビットの面倒を見ていたデビットとおばあちゃんが逆転してしまう。

でも、デビットの心臓が良くなっていたり、
野菜を買ってくれる店がやっと見つかったりと、
良いことがあってとやれやれと思っていたら、
おばあちゃんをがゴミを燃やしていて、納屋まで火の手が、
でも、分かれようとしていた奥さんも、
必死で野菜を燃え盛る納屋から運び出そうとする。
そして、泣きながら歩いていくおばあちゃんを、
走ってはいけないと言われていたデビットが走って必死で止める。
真っ黒になった4人が雑魚寝している姿に何だかホットしてしまった。

人生いいことも悪いこともあるけれど、やっぱり家族が力を合わせれば
何とかやっていける。
ラストのせり(ミナリ)を摘むシーンには、そんな希望が
描かれているように思う。
ミナリはせりのことで、根を伸ばして生きるミナリのように
この大地に根をはやして生きるて行こうとする家族の姿を感じました。

全体的に淡々と描いてあり、「パラサイト」のようなあっと驚く
展開もありませんが、家族の絆を感じる映画でした。
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