kaito

ミナリのkaitoのレビュー・感想・評価

ミナリ(2020年製作の映画)
4.1
今年初、映画館で涙を流しました。

『ミナリ』

韓国映画?と思いつつも製作はアメリカである。A24とPLAN Bがタッグを組んで製作したよう。

結論から述べると、良かったし泣いた。映画自体はかなり淡々としていて、常に静かである。その雰囲気に合うようなフレーミング・カット割、せせらぎをはじめとする自然と環境音はかなり印象的だった。もちろんサントラも。

役者はみな素晴らしかった。誰も演技には見えなくて、本当に生活している人たちを垣間見ているかのよう。『ウォーキングデッド・シリーズ』で広く知られているスティーブン・ユアンも役の影に隠れており、演技うまいなと思わされた。『バーニング劇場版』とは違い、かなり人間的な役が見られて満足。子役も、ありのままの子供を映したようで評価のポイント。といったようにこの映画の誰もが演じているようには見えない。

最初はかなり対立関係にあったのに、次第にデビッドと祖母の仲が深まっていく様子は唐突すぎず緻密でよかった。映画がゆっくり流れるように、登場人物同士の深まり方も丁寧でよかったな。

登場人物の行動で気になるものがあったのは確か。ここはもう一度確認したい。

正直に言って、これを言ったらネタバレになる。とかそういうものがある映画ではない。すごくリアルな世界が丁寧に展開されていて、色々なテーマが内在されている。ただ共通して言えることは観終えてシアターから出た時に世界が少し違って見える。知見の広がりが感じられる。気がする。

映画の内容思い出しつつ、追記すると思う。

「ミナリ」という意味を調べずに行ったが、結構分かりやすく説明されていたように感じる。良くも悪くも。「雑草みたくどこでも生える」というセリは、移民国家であるアメリカでは核をつく表現だろうな。
kaito

kaito