おふとん

MINAMATAーミナマターのおふとんのレビュー・感想・評価

MINAMATAーミナマター(2020年製作の映画)
3.6
写真家ユージン・スミスの目から見た水俣病の真実を描く、史実を元にした映画。

水俣病と言えば、言わずと知れた4大公害の1つで、水銀中毒により神経障害をきたす恐ろしい病気。
高度経済成長期の負の側面で、小学生の授業でも必ず習う範囲ですが、元凶となったチッソと被害者との裁判や、ユージン・スミスに関してはあまり知りませんでした。

本作は史実にフィクションをある程度織り交ぜた、アメリカ映画の最近流行りのスタイルですが、ところどころで実際の写真や映像が出るので思ったよりも臨場感がありました。
とくに脳性マヒの女の子の写真を撮るシーンが実在の写真とリンクするところはかなり真に迫るものがありました。
坂本龍一の音楽も良かったですね。

ただ、ユージン・スミスをジョニー・デップを演じる必要があったのかは少々疑問でした。

酒に溺れてお金に困りスランプに陥ってしまっていたユージン・スミスが水俣の現状に心を打たれて、写真家として最高の仕事を成し遂げる、という話なのですが、ジョニー・デップの演技のせいなのか内面のせいなのか、クズな面ばかりが目立ってしまってそれが作品のノイズになってるような…。
ジョニー・デップは私生活でも色々と問題を抱えていることでも有名で、まぁそれと作品の出来は関係無いはずなのですが、やっぱりこの作品に合ってる配役は別にいたような気がする、というのが正直なところ。

真田広之の仰々しい熊本弁は良かったですね。
ところどころ日本語なのに聞き取れなくて、日本語字幕が欲しいと思いました。
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