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MINAMATAーミナマターのsciのレビュー・感想・評価

MINAMATAーミナマター(2020年製作の映画)
3.5
「MINAMATA」というタイトルから水俣病に苦しむ人に主にフォーカスが当たっていると誤解を生むが、そうではなく晩年のユージン・スミスの物語だったのでやはりタイトルは「EUGENE」がふさわしいのでは。
有名な写真の母子や、水俣の人との関係性に掘り下げがなかったり、水俣の人がチッソと交渉するところも緊迫感が足りなかったりと全体的にうわっ滑りで人物伝映画にありがちな様相に。
史実や時系列が違うことも指摘されているが、一番はデモでのケガが元で死期が早まったというのが、ユージンの仲間でさえ、チッソの社員の人が彼を引き倒したからではなくて自分で転んでしまったからと言っていることから、エンタテイメントだとしてもそこは誤解を与えてはいけないのでは。

水俣病について小学校の時に社会で習い、そのころにはすっかり歴史なのかと思ってたのが、自分が生まれていた時でも現在進行形だった(今も闘いは続いている)ことに驚き。また、この映画を機に「苦海浄土」を読んでみたいという人もいて、水俣病について再認識させるのに貢献していることには意味があると思う。
自分自身、映画の中でも冒頭に出てきた2人の子供の後ろ姿の写真「楽園への歩み」を昔見て以来、すっかりほのぼのとした写真を撮る人と誤解していたのでそうではないと知ったこと、彼が生涯を日本で終えたこと、知り合いからユージン・スミスに憧れてミノルタのカメラを買ったということを聞けたのも良かった。
酔いどれで美人好きなおじさんの雰囲気はジョニー・デップならでは。