まりん

MINAMATAーミナマターのまりんのネタバレレビュー・内容・結末

MINAMATAーミナマター(2020年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

最初に、Johnny DeppとBill Nighyの関係。POTCでの共演はジョニデファンなら誰もが知ってると思うけど、ジャック・スパロウ後爆発した人気で人生狂ったよね。
共演したセクシー美女に入れ込み長年のパートナーと子供を捨てて強引に結婚し、DV問題のゴシップと裁判沙汰の末破局。大手に干された状態。

元々メジャー志向じゃ無い俳優だったから、こう言う作品に出る方が本意な気もするけど、どうしても演じたスミス氏と被る。
彼を見捨てられ無い編集長役がBill Nighyって言うのがちょっと、ニクイ。
ジャックなジョニデファンには物足りないかもしれない。
そう言う映画じゃ無い。

ネタバレかもしれない。
嫌な人は気を付けて。

凄かった!

スミス氏の部屋がね、窓が黒く塗りつぶされ、その隙間から眼下に覗く道行く人とネオンを撮る。
そして現像する生活。
ゾクゾクする。
写真家の部屋だなぁ。
デジカメには無い高尚な部屋でね。
初っ端から震える。

スポーツが出来ない四肢が変形して不自由な少年シゲル君にカメラを渡し、カメラがあって、焦点合わせて、シャッター切れれば、誰にでも撮れる。即興のJAZZと一緒だ。撮って来い。…って送り出した後、俺にはもう音楽が聞こえないんだ…って呟くの。
写真撮影は即興で音楽奏でるみたい…って素敵だ…

撮りたいもののを方を向いて、伝えたいことをイメージして。
待って、待って、今だ!!︎って時を待ってシャッターを押す! …忘れていた事を思い出させられたな…
写真を撮られると魂を奪われる…と思われていたってのは良く聞くけど、逆に撮る側が魂を奪われる。だから本気で向き合わなくちゃいけない。

ラストの撮影シーンもだけど、むしろ現像シーンからゾクゾクして、編集長が写真を受け取るシーンが最高潮。
Bill Nighyが良い仕事してる!

動画の方が、簡単に伝わる。熱量も、言葉も。
だけど、写真にしか訴えられ無いものが確かにあって、圧倒された。
そう言う映画でした。
多分日本人も、良い俳優揃えたんだろうなぁ。
真田広之しか知らないけど。

世界中に溢れている、深刻な問題だった。
エンディングに、それぞれの場所の問題を様々な思いで写したであろう写真が出て来る。

写真を撮る人間は魂震える映画!

見て欲しい。
写真に込められたメッセージ、受け取って欲しい。
まりん

まりん