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MINAMATAーミナマターのmasahitotenmaのレビュー・感想・評価

MINAMATAーミナマター(2020年製作の映画)
3.3
写真集「MINAMATA」で水俣病の存在を世界に知らしめたアメリカの報道写真家W・ユージン・スミスとアイリーン・美緒子・スミス。
アンドリュー・レヴィタス監督が製作にも参加したジョニー・デップ主演で、晩年のユージン・スミスを描く。
音楽は坂本龍一。
原題: Minamata (2020)

~登場人物~
・W・ユージン・スミス( ジョニー・デップ)
・アイリーン(美波)
・ライフ紙の編集長(ビル・ナイ)
・チッソに立ち向かう地元住民代表( 真田広之)
・チッソで働くトラック運転手( 浅野忠信)と妻(岩瀬晶子):長女は胎児性の重度の脳神経障害/麻痺を患っていて、目も見えず口も開けない。
・自身も子供もメチル水銀の中毒に苦しむ若者(加瀬亮)
・チッソの社長( 國村隼)

「写真は撮る者の魂を奪う」

映画の最後に、世界各地でその後も起こっている"水俣"と同様の被害がテロップされます。

人物を撮る場合、撮られる人の"協力"がないと写真は撮れない…。 
水俣病に関しては様々な本が出ているが、石牟礼道子の著書「苦海浄土 わが水俣病」だけあげておく。
なお、この種の伝記は事実を"脚色"していることを前提に見なければいけない。

~補足~
・写真集「MINAMATA」の中でとりわけ有名な、"ピエタ"を思わせる母子像「入浴する智子と母 Tomoko and Mother in the Bath」は、遺族である両親とアイリーンの話し合いで、1998年6月、今後は使用を許諾しない方針であると発表され、一時"封印"されていた。
・ユージン・スミスは沖縄戦で負傷し後遺症/トラウマに悩まされていたが、五井事件(1972年1月7日、市原市のチッソ五井工場前で、患者を含む自主交渉団と新聞記者たち約20名が、実力排除しようとチッソ側が投入した200人の従業員から殴る蹴るの暴行を受けた事件)でカメラを壊されただけでなく、この時の暴行が原因で頭痛と視力低下に悩まされる。
・アイリーンとユージン・スミスは「MINAMATA」発表直後離婚を決定(スミスにシェリー・シュリスというの女性が現れたため)。
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