思いっきりアナーキーなのに、心にグッとくるパンクなラブストーリー。
冒頭から過激なセリフやシーンのオンパレード、なつかしのリー・トンプソンまで出てますやん。
昔は可愛かったけど、今もなかなか魅力的になってました。
問題児のパンクロッカー、サイモンを演じているのはカイル・ガルナー。
あまり馴染みがなかったけど、若い頃のホラー作品を見ていた記憶が。
でも今作では見事にイメージチェンジ、本物のミュージシャンかと間違いそうな危ない雰囲気を醸し出してカッコよかった!
このサイモンとひょんなことから出会い、知らず知らずに心を通わせていくパティ。
20歳にもなって、親の言いなりに生きている冴えない子。
でも彼女には熱烈に愛するパンクバンドのミュージシャンがいた。
曲に乗り、日頃の不満を吐き出すかのようにトランス状態で踊りまくる姿が印象的。
ストーリーはともかく、サイモンとパティの2人の物語が可愛くて胸が痛くなる。
どちらも家族とは上手くいかず、孤独な心の叫びを抱えているところが似ているし、サイモンがパティの書く詩に才能を見出し、お互い寄り添う姿がもう最高だった。
2人で作った曲もどこか切なくて大好き。
「私は馬鹿なの?」と聞くパティに本気で怒るサイモン。
彼女の真の個性に気付いているのは彼だけなのかも。
なんかこんな恋愛に憧れる~!
アナーキーな2人には本物のしあわせを掴んで欲しい。
私的には大当たりでした。
タイトルの「ディナー・イン・アメリカ」
サイモンが作った曲で、アメリカ人の夕食風景を皮肉っているのも気に入った。