東朴幕院

ラスト・ショーの東朴幕院のレビュー・感想・評価

ラスト・ショー(1971年製作の映画)
3.9
ピーター・ボグダノビッチ監督の代表作、今回初見となる。
テキサスの田舎町の青春群像劇。ジェフ・ブリッジス、ティモシー・ボトムズ、サム・ボトモズが皆瑞々しい。そして本作でデビューしたシビル・シェパードの美しい事。
本作、青春群像劇の形を取っているものの、町唯一の娯楽である映画館ローヤルを経営していたベン・ジョンソン演じるサム・ザ・ライオンの死、そしてラストシーンで映し出されるローヤルの姿が当時の米国国家を比喩しているのは明白である程、直接的だ。加えてデュエインやジョシーが町を離れていく様なぞ衰退をイメージするものばかりだ。そしてビリーの事故についても大人たちの会話のしょうもなさに若者視点からも萎える事必至だ。
根本的には若者から尊敬が得られない大人が増えたという事なのだろうか。
そんな作品であるが、ダイナーの女主人を演じるアイリーン・ブレナンは相変わらず良い味を出していて間違いのない女優だと改めて感じたね。

考えさせられる事も多く、一度は見ておくアメリカン・ニューシネマの名作だ。
東朴幕院

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