コロナ不安まっただ中にあった今春以来の劇場ひとり観賞。でも…ひとりというのもわからなくもない。哲学が理解しがたいというか、心に届いてこないというか…
夫に先立たれ、ひとり暮らしの日高桃子。年老いて、体も心も思うようにはいかなくなっている。幻覚もみるようになり、家のなかに男たちがあらわれて故郷の言葉で話しかけてくる。その男たちの相手をするうちに、死んだ夫とのなれそめや夫婦生活を思い出していく…
毎朝目が覚めるとともに男が語りかけてくる。「寝てろって。どうせひとりじゃやることねぇべ」…見ていて暗い気持ちになる。
でも…毎日たくさんの薬を飲み、若いセールスマンに車を買わされ、不憫にも思えるが、実は夫を失ってからこそひとりで生きる自由も感じていて。「ひとりでいぐも」ということ。
しかしやっぱり難しい。沖田修一の描く世界観にここのところついていけなくなりつつある。『キツツキと雨』の頃のほうが単純に面白かったなと。
「オラだばオメエだ」っていう言葉がしばらく頭のなかをめぐってた…