80過ぎの老母を連れての鑑賞。
田中裕子は本当に普通の人を普通に演じられる大女優だなぁとつくづく感心した。
夫を亡くした桃子さんはお一人様生活を楽しみながらも時々寂しさを感じたり、若い時の夫や子供との生活を回想しながらも自由になれたという解放感が何より得難いものとして余生を生きる。コメディ要素もありつつ淡々と話は進む。
忙しなく生活をしていたときには出来なかった自分の興味のあることを時間を気にすることなく探求できる幸せは、家族のために尽くしてきた女性にしか理解できないだろう。
老母も昨年に夫（私の父）を亡くして一人暮らしだが、母はお父さんがいなくなって自由になったとは思わなかった。私はお父さんと一緒がいいなとぽつりと言った。夫のことが大好きだった母らしいと思い、娘としては仲の良い両親の下で育てられた幸せを思った。
私が桃子さんや母の年齢になったときどう思うのだろうか。
若い人にはなんの話かわからない映画かもしれないと思いつつ、母と一緒に観られて良かった。
この点数は誰にでも薦められる映画というわけではないという点数です。
