シネフィル母ちゃん

アトミック・ジャーニーのシネフィル母ちゃんのレビュー・感想・評価

アトミック・ジャーニー(2019年製作の映画)
-
フランス政府が1960年代の核実験で、仏軍兵士たちを意図的に被爆させて放射能の人体への影響を調査していた。
1961年に行われた実験では、核爆発の発生から1時間以内に、爆心地からわずか数百メートル離れた地点を、兵士に徒歩やトラックで進ませたという。また、兵士たちは軍支給のブーツと肩マント、手袋、簡単なフェースマスクだけを渡され、放射能に汚染された砂漠に45分間にわたって穴を掘るよう指示された


この事実を知った上で鑑賞すると、恐ろしくて震える。
今となってはアホな私でも放射能の怖さがわかるが、この時代はまだ放射能のこわさが知られていない。だからこそ前半の若い兵士たちのはしゃいだ光景が虚しく映る。
爆心地に近づくにつれ若い兵士たちも違和感を覚える。
焼け焦げたマネキンがさらに不安にさせる。
ここは静かな地獄の地だ。気づいたところでもう遅い。

今も昔も人類は愚かだ。