藍色

アトミック・ジャーニーの藍色のネタバレレビュー・内容・結末

アトミック・ジャーニー(2019年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

1961年、アルジェリアで行われたフランスの核実験の話。

実験の観測手は若手とベテランのあわせて6人。アルジェリアの砂漠に降り立って、核爆弾のキノコ雲を眺めるシーンでは、皆が歓声を上げて喜んでる。これは世界を変える進歩になるぞ!

放射能の怖さを知ってる現代人からすると、そんな装備で、爆発のそんな近くの位置に留まってて大丈夫なのか?と思うのに、1961年の彼らはその危険性に気づいてない。

爆発後の実験結果観測を行ってるときに、
核爆発の影響で黒焦げになったマネキンたちの間に立った隊員が
「放射能は有害なのか?」
「それを確かめるために我々はここに来たんです」
って会話をするシーンでぞっとした。

実際、1961年といえばアメリカもソ連もイギリスも核実験やってた頃だけど、その時も放射能に対する認識ってそんなものだったのかな?

でも今みたいにインターネット情報網もないし、原子力爆弾なんて軍事機密に関わりそうな話だし、ちゃんと危険性や放射能症の症状は認識されてなかったのかも…

防護服の破れをテープで止めて作業してた隊員は、案の定放射能にやられてヘルメットの中に嘔吐する。
爆発のせいで放射能雲の流れる向きが変わり、隊員のもとにやってくる。

隊長は、「塹壕を掘って放射能を避ける」と隊員たちを砂に埋めていくが…正直それあんまり効果ないのでは…。

そして、放射能をたっぷり含んだ砂嵐の中、隊長はヘルメットを脱いで去っていく。

放射能の砂嵐が止んだ後、生き残った隊員は帰還する為のジープへと戻るが、ジープの位置を示す信号弾は必ずしも希望の光ではない、って話。

生き残った隊員たちも恐らく手遅れなのでは…?
科学の進歩だと喜んで、人間の手に負えないものを生み出してしまった怖さ。

最後のBGMが明るくあっけらかんとしてるのが面白かった。なぜ……
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