「なぁーんも考えてないっしょ、、」
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地元の伝統民族行事を汚し、生まれたばかりの娘と妻も残し都会へ逃走した男。月日を経て悔い改めようとするも怠惰に時を貪った男には望む展開に人生は開かない。齢を重ねるだけでは大人にはなれない現実を知った男の叫びにラストシーンは痛くも沁みる。
大人になりきれない男を演じた仲野太賀を堪能する作品でもあるが、｢大丈夫なの、キミ｣と逃げ出した夫へ語りかける心の距離感や冷めた感情の佇まいが素晴らしい吉岡里帆、場数が増すごとに確実に魅力を増してきている寛一郎、作品に格を持たらす柳葉敏郎、物語の世界に解け込む達者者の山中崇、朝ドラガールの古川琴音と脇を固める役者陣が良い。
メガホンを取るのは本作がデビューとなる佐藤快磨監督。脚本、編集も手掛けており、エンドロールを見ていると企画 是枝裕和、制作 福山雅治とビッグネームが名を連ねていて、業界からも期待されている監督なのでしょうね。本作は自分にはそこまで何かを感じいる作品ではなかったのですが、才人達が愛でるのであれば資金面からもより大きな作品を手掛けていく監督になりそうですね。
