矢吹

泣く子はいねぇがの矢吹のレビュー・感想・評価

泣く子はいねぇが(2020年製作の映画)
4.0
麻雀は一つ取ったら、一つ捨てなきゃならねえ、全部取れたらいいのにな。

もう生きていけるらしい。
海における、チャリと裸と車。どんどん、まともになっていってる気はしたけれど、
都会はなんもかんも忘れられるスピードだけど、忘れられねえ。

太賀さんの謝罪が良かった。
印象的な車の中の会話劇、最近2回目。
いつもいつもいい顔してて最高っすね。
フットサル、ワールドカップ。かずダンス、ではないけど。
何やってもなんかうまくいけねえ、
秋田の男鹿の空気と海岸の映像が凄く良い。
東京にはねえものがあるだろ。
あるなあ。なんか、いいなあ。これを想うときは疲れてるときだと思いますけど。

今日だけはお願いします。
娘のお遊戯会を見るシーンの、分かったとも分からないとも取れる行間の撮り方がすごく好きだった。娘の姿を出さず、フォーカスせずに撮る。
泣く太賀。泣かない吉岡里帆。仮面の重なり。
泣く大人、子供。親としての涙はゼロかも。
親は泣かねえ。泣かねえからさ。
何も残せなかった兄貴と親になれなかった太賀。
ラストのあそこに向かうために全部あったんだなって良くも悪くも感じるけれど、
最後のシークエンスは抱き上げるところまでやらない、もしくは抱き上げないのが、最後まで叫びになっていて、よかった。
けれど、彼は結局、大人にも親にもなれなかったな。泣く子はいねえが。
一家一族団欒に勝ち込むのめちゃくちゃいいね。
全部、彼にはないものだからさ。
親父が残したものに傷をつけた。残したビデオで笑った。残したもので、失いに行った。
折坂悠太さん、めちゃくちゃ繊細に音楽やっててすごいなと思いました。作曲依頼されただけなのかな、にしてもよかった、製作全体として。
頼りねえ覚悟と共に。歩く雪の中さ。

吉岡里帆さんでよかった。すごく良かった。
是枝企画だったんね。家族だ。
あと、フットサルの職場の女の子好きです。
矢吹

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