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泣く子はいねぇがのradioradio526のレビュー・感想・評価

泣く子はいねぇが(2020年製作の映画)
3.0
「逃げの人生への決別、ナマハゲの咆哮が切ない」

「泣く子はいねぇが」NETFLIXで鑑賞。

秋田・男鹿で暮らしている、たすくに娘が生まれた。たすくは無邪気に喜ぶが妻のことねは、子供じみていて親になる覚悟が定まらないたすくに苛立つ。
大晦日の夜、地元の伝統行事「ナマハゲ」に出向いていくたすく。
「お酒は呑まないでね」とのことねの願い空しく、酔っぱらったたすくはナマハゲの面をつけたまま全裸で街を徘徊してその様子がTVに映し出される。
ことねに愛想をつかされ、男鹿にもいられなくなったたすくは東京へ逃げる。
2年後、東京にも居場所はなく、たすくは妻と子に会いたい気持ちを募らせる。

男のバカさ加減がどうにもヒリヒリとする作品。
仲野大賀が素晴らしいという評判で観たがこの凡庸なるキャラクターを実に我が物にしていてちょっと感動した。
情けなくてすぐに謝ってしまう、子供が生まれてもヘラヘラしてて、酒の誘いにも乗ってしまい…やらかしてしまう。
ナマハゲでやらかしたんだから、ナマハゲでケリをつけるしか無かった男の切ない咆哮が響き渡る。
最後はそうきたか…というエンディングに唸ってしまった。

吉岡里帆はポップなキャラクターが目立つけど、こういうやや陰鬱な役もしっかりこなすんだよね。力の無い目つきで見つめる演技…なかなかに痺れる。
どんギツネさんのくせに…素敵だ。
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