おとといさん

泣く子はいねぇがのおとといさんのネタバレレビュー・内容・結末

泣く子はいねぇが(2020年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

昨今世間ではジェンダー論が良いのか悪いのか判断しかねるけども非常に熱を帯びて話されている。そんな中今の世の中で確定されているのは子供を腹に宿すのは女性という点。及び生物として母性本能というものがあるらしい。赤子を守ろうという本能、まあそりゃ1年弱自分の体の1部なんだ、そうなるのはとてもわかる。さあそんな中男性、父親はどこから父親になれるのだろう。

男は子供っぽいよく言われて、いつから大人に、いつから父親になるのだろうと考えさせられる映画。いや苦手な人もいるだろうなと思いながら笑とにかくたすくが情けない父親なんです全編通して。こいつに共感というか同情の余地がないって書き込みをよく見た。まあでもうーん、私はこういうテーマも雰囲気も大好物なんよな残念ながら笑どっかのゼミの教師のせい。あの人が勧めてきた小説こんな雰囲気多いよまじ。

演出が秀逸だと思います。凪の幼稚園での合唱をたすくが見に行くシーンだったり、特にラストシーンかな。この2シーンだけでも、いやあのラストシーンを見るだけでも見る価値があると思ってしまう。僕はあの引き方非常に好きです。「ナマハゲから子供を守ることで父親になる」ってのが作中で言われてんだけどそれがラストシーンにしっかりかかってくる。いいと思うんだけどねすごく。割と見る感じ不評。

いつからどこから父親になれるのだろうとたまに思う。そんな時自分の父親を俯瞰して見るけどバスケチームのコーチとかしてるからか子供と距離が近い、なんだろう物理的にというより年齢?対等な土俵に立っているように見られるときが多い。まるで同じ子供のように。父親ってなんだ?自分がなれるのか?なんて思う。いい彼氏といい父親も別モンだしね。きっと子供が成長するように親も成長するもので、段々と形になるのかもしれない。今回は父親に焦点が当たってたけど、人間はいつから大人なんだろうね。狭間はきっと年齢じゃない。

中野太賀の力を弛めたら泣き出しそうな笑顔がとても好きです。