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パーム・スプリングスのtsuraのレビュー・感想・評価

パーム・スプリングス(2020年製作の映画)
3.8
filmarksオンライン試写会にて。

人は常々思う。
「今日という日が永遠に続いて欲しい…」

そんな壮大な夢、この映画が叶えてくれます。それも大胆に!


2019年11月9日のパーム・スプリングスに永遠に取り残されてしまった男女の話。

結婚式に参列したナイルズと花嫁介添人のサラ。2人は良い関係になりそうなところで謎の男が乱入、なんと弓矢🏹を放ちナイルズを襲撃。
なんとかナイルズは洞窟に逃げ込むが、サラがナイルズの身を案じその洞窟へ。洞窟の奥は橙に光り添いこまれたその先は…それはなんと出口の無い11月9日への扉…


人が思う「もしこの日が永遠に続くならば…」という安直なる妄想に対して全力で2人が身を持って実践してくれる楽しさと、時間のループに嵌ってしまった故に長い時間を分かち合う事になる男女の顛末或いは同じ境遇故の愛。

そして、日常は一定の方向に向かって本来進むという概念が如何に辛く厳しい反面美しいことなのかを優しく教えてくれる。

凡そコメディ映画とは思えないくらいディープな感情が根幹にある事でかなり荒唐無稽なストーリーも、映画が元来持つメッセージ性と相まって人生や生きる事、愛する事をシンプルに向き合わせてくれる作品になっていた。

でも間違わないで欲しいのはこれはコメディである事。

ただ乗り心地最高なジェットコースターに乗ってるだけで良い。
いや寧ろそうして欲しい、何も考えず身を委ねて。

そのくらい、これ笑えるから(笑)


ちなみに一部では主役2人が"魅力が薄い"と指摘されている方もいたが、私は決してそうは思わない。
寧ろ等身大だし親近感湧くし、私達にも降り掛かる実は災難だったりして…?みたいなちょっとリアリティには欠ける妄想にも真実味を持たせてくれる良いニュアンスなんです、この2人。

演じるはアンディ・サムバーグとクリスティン・ミリオティ。
とりわけ、サラを演じたクリスティン・ミリオティは良い感じの可愛さ、綺麗さ、緩さ、人間らしさ発散していて好感度大。
作品を身終える頃にはきっとあなたも彼女の笑顔に魅了されてると思う。

あとバイプレーヤー役を演じさせたら矢張り秀逸だなと唸らせたJ・K・シモンズの人匙の味付けがこれほど映画を実りあるものに変化させるとは👏

良い映画には良い役者、大事なんですね。

ということで、公開間近の本作を映画館で観る事に躊躇う必要は全くない!見ない理由も特にないはず!

あなたも無限のタイムリープ♾へ誘われて。
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