ホンのシネマ

ムヒカ 世界でいちばん貧しい大統領から日本人へのホンのシネマのレビュー・感想・評価

3.3
恥ずかしながら、このムヒカ元ウルグアイ大統領について、私の知識はほぼない状態で、この作品を観た。

作品は、田部井監督が生まれたばかりの我が子と対面するシーンから始まるドキュメンタリー映画だ。
日本の病院で日本人の子供が生まれたことと、ウルグアイの大統領。
一体どんな関連があるのか全くわからない状態でしたが、我が子に「ホセ」とホセ・ムヒカから名前を取った監督。
それだけで、彼がどれだけムヒカのことを思っているか解った。

その次のシーンはムヒカ元大統領の国連会議でのスピーチ。
現代の消費社会を痛烈に批判し、人類にとっての幸せとは何かを問う内容だった。
そのスピーチはとても素晴らしく人々の心を打つ内容。
私自身もスピーチを聞いて心打たれたが、自分自身の欲の深さはわかっている。
欲しいものはたくさんあるし、便利な生活はやめられない。
もっともっとと思ってしまうのです。

ムヒカの言っていることはただの理想論なのか?
実際に映し出されるムヒカは、本当に可愛い気のいいおじさん。
でも、インタビューしている中で時折鋭い眼光をのぞかせます。
「このおじさん、只者ではない……」

作中では彼の過去も描かれ、若い頃軍事政権下のウルグアイでゲリラ活動をしていた時に逮捕され、刑務所で生活していたことにも触れている。
ただの農家のおいじさんではないはずだ。

日本とのつながりも多く、そもそも子供の頃に近所に住んでいた移民の日本人から菊の栽培を教えてもらっていたとのこと。
来日した時の様子も描かれていたが、彼が今の日本を見て言う言葉は、的確で胸に響いた。

新型コロナウイルス感染のため公開が延期されているが、今こそみんなに観て欲しい。
早く、自由に映画館に行けるようになったらいいな。