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事故物件 恐い間取りのminorufukuのネタバレレビュー・内容・結末

事故物件 恐い間取り(2020年製作の映画)
1.2

このレビューはネタバレを含みます

主人公は大阪を拠点に活動する売れない芸人。10年コンビを組んた相方から解散を告げられ、ピン芸人として再出発するものの仕事はほぼゼロ。そんな中、主人公はテレビ番組のプロデューサーから事故物件に実際に住み込み、心霊現象を撮影する企画を持ちかけられるのだが...という話。

実在の芸人の手記をもとにした作品。主演は亀梨和也。監督はリングシリーズなどで知られる中田秀夫。
本格ホラーの「残穢」やライトなコメディの「ルームロンダリング」など僕は事故物件映画が大大大好きなので鑑賞。

なんとも中途半端な立ち位置の作品。
主人公が4つの物件を点々とするオムニバスのような構成なのだが、実話ベースのせいなのか各部屋のエピソードがとにかく弱い。現実に起きた話ならば充分に怖いので、フェイクドキュメンタリー形式などのリアリティ重視な方向に舵をきればそこそこ楽しめたかもしれないが、売れっ子の役者が出演するフィクションとして観るには厚みと怖さの積み重ねが足りない。
Jホラーの重鎮である中田監督の怪奇演出もかつての切れは無く、特に4部屋目の除霊めいた戦いのシーンはもうギャグとしか思えないほどチープだった。霊のいる部屋のすぐ外に出ただけで「もう一安心」扱いなのも違和感が(^^)
また、お笑い芸人の手記が原作なので、彼らのお笑いにかける情熱や売れるまでの経緯、そしてヒロインとの恋話などのホラーにあまり関連しない要素が含まれているのだが、それがことごとく邪魔になっていてバランスが悪かった。怪談部分だけ原作流用して主人公は芸人以外の設定にすれば良かったのかも。
役者陣は他の作品では好演しているメンバーなのに、本作では所々下手に見える場面が目立った。これは役者のせいではなく演出の問題かなあ。

終盤ピンチを脱した主人公が「やっぱりお笑いはみんなを幸せにするんだよ」的な発言で締めくくっているが、ゆでたまご先生の漫画「スクラップ三太夫」並みのやけくそな決着の付け方だと思った。
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