さうすぽー

事故物件 恐い間取りのさうすぽーのレビュー・感想・評価

事故物件 恐い間取り(2020年製作の映画)
1.4
自己満足点 26点

作品そのものが"事故物件"です(-_-;)
はい、だいぶ酷かったです。
何故こうなったのか、何をしたかったのか、全然解らないです。

※先に言っておくと、個人的にこの映画は全然オススメ出来ないし観てほしくないので、今回はネタバレ込みで話します。


実在する「事故物件住みます芸人」として活動してる松原タニシのノンフィクション書籍が原作の映画化作品。
...まぁ一応。


実話を元にしたホラー映画を「リング」の中田秀夫が監督していて観客も多く入ってるそうなので観に行きました。

先ほども言いましたが、この映画でやりたかったことが全然解らないです。
内容としては、何故か亀梨和也演じる売れないお笑い芸人のやり取りが始まるので急に「火花」が始まったと思いきや、リングみたいな亡霊が出てくるホラーが始まるし、事故物件を題材にしてるので「残穢」のような内容になるかと思いきや、とっとと次の家に住み始めるし、本当に実話をやりたいのか単にホラー映画をやりたいのかが全然解らないです。

実話ベースの話にホラー要素を盛り込むのは個人的には有りだと思ってます。
ただし、面白ければ。

そもそも実話をもとにした話なのに亡霊が出てくるのはちゃんちゃら可笑しいし、ハリポタのディメンターみたいな黒フード被ってる死神みたいな奴も出てくるのは完全に「リング」シリーズみたいになってしまってます。

後半になるにつれて亡霊の数も多くなるし、黒フード被ってる奴も多く登場するのでますます現実離れしていくし、ますます気持ちが離れてしまいます。


また、一応実在のお笑い芸人の話を元にしてるのでお笑い界やテレビ局も出て来て、少しコメディ要素も入ってくるのですが、そのコメディ要素もかなりつまんないです。
コントも滑ってるし、芸人のカメオ出演も別に必要性が感じられないです。
亀梨のお笑い界を目指したきっかけの話は本っとうに無駄!!
「事故物件に住んで霊に巻き込まれる」という主旨からそもそも外れてるし、時間稼ぎにしか感じられなかったです。

また、一つの家に住んで幽霊達と対決するのかと思いきや、家を何件も変えるので一つ一つのエピソードが短く、その家の亡霊のエピソードを全然拾えて無いし心霊除去等も全く行わないまま次の家に行ってしまうので、「結局何だったんだろう」という風に思ったまま次の展開に進んでしまいます。
なので、最初は亡霊が怖く感じても、時間が進むにつれて全然怖くなくなってしまいます。


そして、終盤で4件目の事故物件に住む時に亡霊がたくさん取り付くので、亡霊に襲われ始めます。
ジャンプスケアを多用するので「ビグッ」とはなるものの、肝心の幽霊が怖くないので肩透かしを喰らいます。
(ちなみに亡霊一体が冷蔵庫から出てきた時は失笑しました。)
そして、黒フードの奴が出て来てヒロイン共々殺されそうになるのですが、間一髪で亀梨の相方の瀬戸康史が来ます。
そのあと、何故か黒フードと対決が始まります(笑)
その対決が実にショボいです...
瀬戸康史が火の粉を吹いて黒フードの奴に攻撃するのですが、その火の粉のCGが非常にショボいので観てるこっちが恥ずかしくなりました。


あと、劇中で江口のりこが亀梨に事故物件を紹介するのですが、事故物件をあえて紹介する不動産屋なんて聞いたことが無い。 というか、そんなもの紹介してたら色々と問題なんじゃ?


色々と愚痴を言ってきた中で良いところを上げるとしたら、
事故物件1件目に出てくる赤い服の女性幽霊と黒フードの奴のデザインは怖かったです。
まぁ、その怖さは映画の内容によって半減されてしまったのですが。

あまりこういう事言いたく無いのですが、
本当にいい加減にしてほしいです!
何で「リング」みたいな真っ直ぐで背筋が凍る怖いホラー映画が作れないんですか!?
何で海外のホラー映画みたいに最初から最後までストーリーが一貫してるホラー映画が作れないんですか!?
王道でも良いから質の良いホラー映画を作ってほしいです。

これはTwitterで言った事なのですが、
実録ものがやりたいのか「残穢」をやりたいのか「来る」みたいにお祓い対決したいのか「火花」みたいなお笑い芸人の話やりたいのかはっきりしろ!!

2020年映画ワースト10「第4位」